東北学院大学

学長の部屋

建学の精神を胸に、人々を愛し、
人々から愛される人へ。

東北学院大学 学長 大西 晴樹

新しいキャンパスで多角的な視点を

日々、変化する時代や社会のニーズに応える人材を輩出するため、今、東北学院大学は大きな変化を遂げようとしています。その象徴となるのが、2023年4月から始まった五橋キャンパスの開学です。これまで3つのキャンパスに分かれていた学生が、近接する土樋キャンパスを含めた一つのキャンパス「ワンキャンパス」に集うことで、共通の教育方針の下に基礎を固めるとともに、それぞれの専門分野を相互に深め合う「文理融合」が進められると確信しています。

五橋キャンパスは、プレゼンテーション能力や論理的なリテラシーを身に付けられるアクティブラーニングによる課題解決型学修や、これからの時代に重要なスキルとなるデータサイエンスなど、先進の学びに適した設備を備えるとともに、地域の方も利用できる「多目的ホール」、仙台市との連携・協働の拠点となる「未来の扉センター」などが設けられており、地域に開かれた新しい都市型キャンパスです。学生は多様な人々が交じり合う環境の中、机の上だけでは学ぶことができない、社会を多角的に捉える視点を養うことができます。

また、変化は環境面に留まりません。キャンパスの設立に伴い、学部再編を実施し、新たに4学部5学科を設置しました。新たな学部学科は、これまで本学が培ってきた専門性をさらに発展させたものです。

そして、それら全ての学びの土台となるのが、全学科共通の「TGベーシック」です。リベラル・アーツから始まった本校の伝統を受け継ぐこの科目群は、豊かな人間性を育む「人間的基礎」科目、社会生活の中で必要とされる知性を磨く「知的基礎」科目から構成され、専門分野に関わらず、皆さんがより良く、より知的に生きるための財産となります。

先が見通せない時代の「希望の光」に

一方で変化の多い時だからこそ、東北学院大学の建学の精神である「LIFE LIGHT LOVE」に立ち返ることが大切だと考えています。人々の命や尊厳を大切にし、人々に光を与えるために働き、人々を自分のように愛するという、我々のキリスト教教育の根底にある思いは、さまざまな局面で困難な状態に陥りやすい混沌とした時代において、特に忘れてはならないものです。本学にはこの精神が深く根付いており、例えば長引くコロナ禍で、学生が自身のパソコンを使って授業に参加するBYOD(Bring Your Own Device)を導入する際、教員側から「一人の学生も取り残すことのないように」と強く働きかけがあったのも、象徴的なエピソードの一つだと思います。

そして、私は学生たちが周囲の人々から愛される存在になってほしいと強く願っています。地域社会の中でリーダーシップを発揮し、人々から信頼を寄せられ、課題解決へと導く、希望の光になってほしいと思っています。そのためには幅広い総合的な知識や、豊かな人間性が欠かせません。東北学院大学は東北最大の私立総合大学として、それらを養う環境が用意されています。4年間で何を学び、それを将来どう活かしていくのか意識し、主体的な行動によって、皆さんが社会へ羽ばたいていくことを期待しています。