東北学院大学

教育研究所

教育総合研究所に変更となりました

新研究所のページは、2023年10月上旬頃開設予定です。

概要

「東北学院大学教育研究所」は、平成10年4月に新たに設置された組織であり、30数年の歴史を持つ本学の「教育研究所」と「一般教育研究所」とを、大学内外の変化に対応すべく、統合して、その機能を強化したものである。

設置の目的は、本学教育及び高等教育に関する調査研究及び提言を行い、本学教育の改善に資することにある。組織は、所長も含め、学長から委嘱された本学各学部の教員が所員となっており、現在、15人の教員と庶務担当職員1人とが構成員となっている。

事業内容は、内外の高等教育ならびに本学教育の基本問題に関する調査研究、本学教育の改善に関する提言、高等教育に関する情報提供、「報告集」の刊行、教育研究に必要な資料の収集・整理・保存等である。また本研究所は「大学教育学会」の機関会員でもあり、そのほかに、本学が会員校となっている「東北・北海道地区一般教育研究会」にも毎年数名の所員としての教員が出席している。なお、これらの事業のための年間予算は、年度によって若干変動もあるが、290万円程度が示達されている。

平成10年度の開設以来、本研究所は毎年『東北学院大学教育研究所報告集』を刊行し、学内教員に配布すると共に、全国各大学の同種の研究所やセンターにも送付し、情報の交換を行っている。その主要な内容は、継続的な研究としての「成績分析からみた大学教育の研究」である(『報告集』第1~5集)。これは、本学学生の定期試験結果を材料とする成績分析であり、その主旨は、諸種の推薦入試に加え AO入試やセンター入試と多様化してきた入学類型別に学生の入学後の成績を追跡調査して、その分析結果を本学の入試形態やその後の教育方法の改善に資することである。

その後の研究としては、本学における「退学者動向」の研究があり、その最初の報告は「意欲があって大学を去る者、意欲を失ってやめる者─二つの不幸な退学理由へのブール代数的アプローチ」として発表されている(『報告集』第5集)。

また、本学のFD推進委員会とも連携した、本学の全教員対象の「大学教育への取り組みに関するアンケート調査」も行われ、その分析は平成19年度の『報告集』第7集に掲載された。この調査の主旨は、各学部学科で実施している「学生による授業評価」から浮かび上がる様々な問題や、本学の授業において個々の教員がどのような問題に直面し、それを克服するためにまたどのような創意工夫をしているのかなどを、教員相互が正確に把握し参考にしあって、本学の「教育力」をさらに一層高めるために必要な手だてを全学的に考えていくことにある。

その後、AO入試に関するデータも蓄積されたことから、『報告集』第8〜10集では、改めてAO入試入学者の入学後の成績に関する追跡調査を学部ごとに行った。また大綱化以降、初年次教育による高大接続への関心が高まったことから、平成22、23年度の『報告集』第11~12集では、初年次教育の効果やルーブリック作成に関する研究も掲載した。

さらには、大学教育の質的保証のためのエビデンスの収集を目的に、全学部で実施されている入学生意識調査(平成20年度より)や、卒業生意識調査(平成21年度より)のデータの分析も行われており、平成25、26年度の『報告集』第14〜15集では、あわせて4本の研究が掲載されている。

以上のように、本研究所の研究は、大学教育、大学教育システムはいかにあるべきかという理念的問題そのものを考究するというよりは、本学教員が学生にたいして現実にどのような教育をしているのかを、成績分析等も含めて、可能な限り実証的に解明していくということに主眼をおいており、その精緻な研究成果は学内外から一定の評価を得ている。