倒産という困難を法律で救済する
企業や個人の「倒産」という状況に対し、法はどのような手当てを用意しているのでしょうか。新型コロナウイルス蔓延にともなう経済の停滞により「倒産」をめぐるニュースが後を絶ちません。その「倒産」を処理するためのルールを定めるのが、破産法や民事再生法などの「倒産法」です。多くの利害関係者を巻き込む倒産。それ自体は不幸な現象ですが、これを適切に処理することは、利害関係者の未来のために必要不可欠です。特に、個人が倒産処理を行うことは、払えなくなった借金を清算しつつ、新たな経済生活をスタートできるようサポートすることにつながります。実はポジティブな側面こそ重要ともいえる、倒産法の姿を学びます。

学科長から

学生から
法律学科2年
伊東 裕衣香さん(宮城県/東北高等学校出身)
玉井先生のゼミでは、1年次にはあるケースについて、賛成か反対かの2 チ ー ム に分かれて法的な見解から議論するディスカッションに取り組み、2年次には実際のニュースをテーマに、資料を作成して発表や議論をする課題に取り組んでいます。もともと、私は人前に出ることが苦手で、当初は発表などが上手くできませんでしたが、現在ではプレゼンテーションにも自信が付き、意見をしっかり伝えられるようになりました。今後もこの機会を活かして、自身の強みにつなげたいと思っています。さらに資料集めや要点の整理などをチームとして行うことで、コミュニケーションの重要性を学びました。私は将来、イベントの企画や運営をする仕事に就きたいと考えており、目標に向けて大勢の人を動かす際に、この経験が役立てられると感じています。法律は意外と生活に身近なもので、日々さまざまな発見があります。皆、大学で一から学ぶので、今は知識がなくても大丈夫です。興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。
※2020年当時の内容です
法律学科長
遠藤 隆幸 教授
今日の出来事を振り返ってみましょう。あなたの「当たり前」の日常は、自然に享受できるものではありません。社会の中で当たり前に私たちの尊厳や安全が守られ、社会秩序が維持されるための制度的基盤として、法は存在します。このような社会のインフラとしての「法」の仕組みを学び、それをよりよく運用していく方法論が「法学」です。
例えばサブスクの音源を私的利用以外に用いることはできるのだろうか。できないのなら、それはなぜだろうか。スマホ決済では誰が、誰に対して、どのような支払いをしているのだろうか。決済中に突然「マネー」が消滅したら、その責任は誰がどのようにとるのだろうか。法学を学ぶと、こういった日常に潜む法的仕掛けがよく見えるようになります。それにより得た知識や思考法は、私たちが地域、社会などさまざまな場において何らかの仕組みを作る必要に迫られるとき、その仕組みをよりよく改善しようとするとき、大いに役に立ちます。