教員プロフィール 菊池 慶子 教授(日本近世史・女性史) 研究テーマ 政治・相続・看病介護等のテーマを中心に日本近世のジェンダーと家族関係を考察する。緑地景観の歴史的変遷にも関心をひろげる。筆名、柳谷慶子。 研究トピック 女性を始祖とする武家もあった! 江戸時代を女性の視点から読み解く 一関藩の分限帳 江戸時代は女性を相続から排除したことで、将軍も大名も、旗本も御家人も、また大名家臣も、男性で占められていました。しかし女性の「殿様」が皆無であったわけではありません。盛岡藩南部氏の家臣家であった八戸南部氏で慶長19年(1614)、後家の清心尼が跡目を継ぎ、6年間当主であったことは、系図に明記されています。 将軍家や大名家に奥女中として仕えた女性たちのなかには、隠退後に養子を擁立し、みずからの家を創設する例もありました。徳島藩や鳥取藩では、幕末期に女性を始祖とする家臣家が全体の1割以上を占めるに至っています。武家において女性が果たした役割が決して小さくなかったことに注目し、江戸時代像を見直す作業を進めています。 榎森ゼミの卒論例 「日記からみる武家女性 ―幕末期を中心に―」 「仙台東照宮祭礼の考察」 最近の著作 『江戸時代の老いと看取り』(筆名 柳谷慶子)山川出版社 2011年 『杜の都・仙台」の原風景』南北社 2008年 『近世の女性相続と介護』(筆名 柳谷慶子)吉川弘文館 2007年