教員プロフィール 櫻井 康人 教授(ヨーロッパ中世史) 研究テーマ 特に「聖地巡礼記」の分析から中近世ヨーロッパ世界の十字軍観・イスラーム観の変遷を探る。 研究トピック ヨーロッパ対イスラーム?聖地巡礼記から見えるもの 一般に、「十字軍運動=ヨーロッパ対イスラーム」という図式が前提とされがちです。しかし、エルサレム周辺域が完全にイスラーム勢力下に収まって以降も、ヨーロッパ人たちは聖地巡礼を行い、その内の幾人かは聖地巡礼記という形で「他者」の世界における経験を綴っています。その分析を行ってみると、Pax Islamicaの下で安全な聖地巡礼を行えた者たちは、ムスリムに対して好意的な見方をしていることが解ります。このように、皆さんもまずは前提を疑ってみることから始めてみませんか? アウクスブルクの騎士マルティン・ケッツェルの聖地巡礼記(1476年) 櫻井ゼミの卒業論文タイトル例 「都市ケルンにおける自治化の過程―政治支配層の変遷を中心に―」 「中世アイルランドにおける周辺関係とアイデンティティの変遷」 最近の著作 『図説 十字軍』河出書房新社 2019年 『十字軍国家の研究―エルサレム王国の構造―』名古屋大学出版会 2020年 『十字軍国家』筑摩書房 2023年