東北学院大学

文学部 歴史学科

学科長あいさつ

歴史学科長
永田 英明

私たちはタイムマシンに乗って直接過去を訪れ、当時の社会や人々を直接見聞きすることはできません。しかし、過去の人々が残した断片的な手がかりをもとに「歴史」を考え、その結果を現代や未来の人々に語り伝えることはできます。歴史という名の宇宙を観測するための望遠鏡の使い方を学び、遠く離れた過去から伝えられた光を読み取りながら、その外側、その裏側にある、過去に生きた人々の営み、それが私たちの生きる「今」とどのような関わり持っているのかを考える。「歴史学」って、そんな存在じゃないかな?とおもいます。

東北学院大学の歴史学科では、日本史・アジア史・ヨーロッパ史・考古学・民俗学という5つの分野を学びながら、グローバルかつ歴史的な視点から現代社会や地域の問題を考える力を養うことを、学びの目標としています。「概説」や「テーマ史」などの講義、フィールド調査や実際の歴史資料に触れながら歴史情報の調査方法を学ぶ「実習」・「講読」、少人数の学生たちが自分たちの考えを発表し議論し合う「演習」(ゼミ)などの授業を受けながら、1, 2年次で様々な分野を広く学びながら自分の関心ある分野・テーマを探し、3, 4年次でそれを掘り下げていきます。様々な形の学びを通じて、「歴史」の中に課題を見つけ、その解決方法を考えながら自分なりの考えを深め、それを表現する力を磨いていく。その成果を学生自身の「作品」として仕上げるのが、4年次に取り組む「卒業論文」です。

歴史学科の卒業生たちは、実に様々な分野で活躍しています。歴史学科というと就職に弱い、とお思いになる方もいるかもしれませんが、実際には一般企業でも高い就職率を誇り、地元である東北地方はもちろん、全国的に知られた企業へも就職し活躍しています。それは、歴史学科での学びが、隠れている課題を見つけ出し、埋もれている声に耳を傾け、その解決方法を考えていく普遍的な能力を養うものとしても高く評価されているからです。もちろん、中学・高校教員や博物館学芸員・図書館司書などの資格を在学中に取得し専門職として就職する学生も毎年輩出していますし、その中には大学院の博士前期・後期課程へ進学してより高度な専門的な研究能力を身に付け、東北その他の各地での歴史教育や文化財行政に欠かせない人材として活躍しているOB・OGも、少なくありません。

こうした歴史学科での学びのサポートをするのは、全国的に見てもトップクラスと言える、各研究分野の最前線で活躍している充実した教員スタッフです。東北学院大学のキャンパスで、歴史という名の宇宙を皆さんとともに探究をできる日を、スタッフ一同楽しみにしています。