「防災」という視点でまちづくりを考える
地域構想学科における「地域の学び」は狭い範囲を知ることではありません。私たちが暮らす地域はさまざまなネットワークでつながっており、それは世界中へと広がっています。地域で学び、地域を探求することは、世界中の人々と出会い、学び、そして貢献することになるのです。栁澤ゼミでは、地域防災とまちづくりをテーマに、気仙沼市での震災伝承活動や名取市閖上でのワークショップを実施してきました。ゼミ生たちは震災の記憶を未来につなげるため、地域の歴史を調べ、災害の要因を分析し、地域の人々と話を重ね、課題解決に必要なプロセスを考えています。また2019年には、2004年に大きな津波で被災したタイ・プーケットへ行き、日本と海外での防災の違いについて議論をしました。ゼミ生たちが探求した地域の活動・経験は、世界での活動へとつながっていくのです。

教員から

学生から
地域構想学科4年
小島 純之介さん(宮城県/仙台城南高等学校出身)
東日本大震災をきっかけに「消防士になりたい」と思うようになり、防災を学ぶため、栁澤ゼミを選択しました。山元町の旧中浜小学校に行ったときは、2人の語り部の方から当時の被害状況や復興の過程、現在の地域の姿などさまざまな話を聞くことができました。津波避難タワーや荒浜地区に新しくできた「避難の丘」など、プライベートでも震災関連の施設や遺構に足を運ぶことも増えましたね。地域構想学科では「人と自然」「健康と福祉」「社会と産業」の3つ領域があるのですが、それら全てを学ぶため、広い視野を持って物事を考えられるようになったと思います。例えば「人と自然」という領域の中で防災を考える際、高齢者や障がい者の避難行動など福祉的な領域にも目を向けることができるようになりました。学問の領域を越えた知見が身に付くのが、この学科の魅力だと思います。
※2020年当時の内容です
地域構想学科
栁澤 英明 准教授
私たちの学びや研究活動に本当の答えはありません。また活動中に多くの失敗をするかもしれません。それでも私たちが忘れてはいけないことがあります。それは、「挑戦」という気持ちです。子どもの頃の私たちにとって、ハイハイから二本足で立とうとすることは新しい世界への挑戦でした。そこにあったのは、ただ高いところを見たい、触りたいという純粋な探求心だったはずです。いつしかさまざまなことが当たり前のようにできる“大人”に成長し、その中で私たちは新しいことに挑戦する気持ちを忘れてしまうときがあるかもしれません。そんなときでも、地域構想学科には、皆さんが挑戦する気持ちを思い出せるフィールドの学びがあります。地域のフィールドには、私たちがまだ知らない、世界へと広がる多種多様なネットワークが隠れています。それを少しずつ紐解き、新しいかたちにつなげ、社会へ活かすための学びが地域構想学科にはあります。ぜひ、地域構想学科で新しい世界へと踏み出すためのきっかけをつかみ、皆さんの中にある無限の可能性を見つけてください。