東北学院大学

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新入学の皆さんへ、学長からのメッセージ

2011年04月06日

 平成23年4月5日には、晴れて「平成23年度東北学院大学入学式」を挙行し、新入学の皆さんに、心からのお祝いを申し上げる予定でおりましたが、「東日本大震災」のため中止もやむを得ないとの結論にいたりました。新学期のオリエンテーションは4月27日から、授業は5月9日(月)からそれぞれ始める方向で準備を進めている段階です。そこで、本日、このような形で、ご入学をお祝いするとともに、今後の歩みについてのメッセージを贈りたいと思います。
 ところで、一千年に一度の規模ともいわれる今回の大震災、そしてそれに続く原発の事故は、まさに未曾有の大災害をもたらしていることはご承知の通りです。本学では、震災発生直後から、教職員一同が全力を挙げて在籍学生12,217名の安否確認を行ないました。電話回線など連絡網が分断された中、確認作業は困難を極めて避難所まで赴いて確認するなどして、ようやく三週間を経て全員の安否を確認することができました。その中には誠に残念ながら、犠牲になられた方もおられます。また大切な肉親を失い、安らぎの家を失った方も多数おられます。心から哀悼の意を表し、天国での平安をお祈り申し上げますとともに、一日も早く安寧の日々が戻りますことを、お祈り申し上げます。
 さて、東北学院は、本年、創立125周年を迎えます。創立以来、毎朝の礼拝をはじめとして、聖書に示された主イエスキリストの教えを中心に「若者の心を育てる」ことを重視した教育を行なってまいりました。特に、ここでは、新約聖書のマタイによる福音書の言葉を引用したいと思います。

 あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。
 
 あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。そのようにあなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。
                                        (5章13節〜16節前半)

 この「地の塩、世の光」は、東北学院大学の建学の精神をあらわす言葉として、学生諸君の学びにおける心の支えとなってきたものです。また、本学の多くの卒業生が、この建学の精神にそって活躍し、大きな社会的貢献をしてこられました。その結果、「東北学院大学卒業生は信頼できる」との評価をいただいております。
 今回、本学の卒業生の多くが在住している東日本地区は、大震災で壊滅的な損害を被りました。災害地の復興や地域社会の再生など課題は山積しており、世界が注目しているところです。復興や再生を実現するためには、長期的な努力を積み重ねなければならないと予測されます。入学された学生諸君は、その中心的な担い手になることでありましょう。近い将来において要請される社会的役割に応え得る力を備えるためにも、それぞれの学問分野における勉学に励んでいただきたいと思います。また、学びにおいて「地の塩、世の光」の言葉を心の中心に据えていただきたいと念願しております。
 東北学院の教職員や15万人を超える卒業生が、入学した学生諸君のこれからの人生を応援しております。皆様の学びが神様の御守りのうちに豊かで充実したものとなることを心から願い、学長からのメッセージといたします。
                                           平成23年(2011年)4月6日
                                           東北学院大学 学長 星宮 望