東北学院大学

新着情報

第3回文部科学省 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 「環境保全と健常生活のための先端バイオテクノロジーの統合的研究」公開シンポジウムが開催されました

2012年03月19日

開催日時

平成24年3月13日(火)10:00〜16:20

開催場所

多賀城キャンパス 工学基礎教育センター011教室

開催趣旨

 2009年度から5年間の研究事業として文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に応募し採択された「環境保全と健常生活のための先端バイオテクノロジーの統合的研究」は、21世紀に必要とされる科学技術である環境保全バイオテクノロジー、健常生活の基盤技術となる生体センシングテクノロジーおよび生体機能コンペンセーションテクノロジーの、3つの分野の学術領域における統合的研究基盤を、東北学院大学に新たに確立することを目的としています。
 具体的には、清浄環境の維持に必用な新規バイオ技術を確立する研究、生体電磁気信号のセンシングと認知情報処理に関する研究、健常生活に必要な人体機能の動作補助および人体機能障害の工学的補償システムの研究に同時に取り組むことによって、広い範囲のバイオテクノロジー研究基盤を構築することにしています。
 東北学院大学は、1886年に仙台神学校として開設されました。設立当時の建学の目的は、キリスト教を教育理念とするリベラル・アーツ教育の実践と普及でありました。また、同時に、創始者である3名の内の一人の押川方義は、東北地方を日本のスコットランドにしたい、そしてそのための人材教育を行うのだという目標を具体的に述べています。このことには多くの意味が込められていると思われます。確かに、東北は気候風土がスコットランドに似たところがあるが、一方でスコットランドは産業革命の基盤となった自然科学の発祥の地であります。蒸気機関を発明したJames Watt や電磁気学の創始者のJames C. Maxwell が生まれ活躍したところでもあります。つまり、この東北地方を、産業革命の基盤を作ったスコットランドのように科学技術の振興をもって豊かな地域にする、そのための科学技術教育を行いたいという意図を感じます。
 この本学の創始者の一人の言葉は、1962年に東北学院大学の多賀城キャンパスに工学部を設立することによって実現しています。その工学部の創設から今年で丁度50年目を迎えることになりました。
 今回の公開シンポジウムに、スコットランド・エディンバラ大学の科学技術系のNigel Brown教授を招待講演者としてお迎えしたことは、このような経緯で設立された本学工学部となにかしら深い因縁を感じます。また、海外からもう一人台湾の国立成功大学のJuu-En Chang教授を招聘しました。Chang教授は東北大学において博士号を取得され、その後台湾に帰国して国立成功大学の教授になられたとともに、台湾政府の環境庁長官という大臣職を経験しておられる環境工学研究分野の第一人者であります。
 また、国内からは、東北大学大学院生命科学研究科の津田雅孝教授と同じく東北大学医工学研究科の芳賀洋一教授を招待講演者としてお迎えしました。それぞれ生命科学および医工学の日本における第一人者でるとともに、やはり東北という地域を研究の場としつつ、かつ世界に向けての研究、そして世界のトップレベルの研究者としての研究活動で多くの成果を残してきておられます。東北と関係のある講演者、そして東北学院がお手本としたスコットランドの先生を意図的に招聘した訳ではないが、今回の公開シンポジウムは期せずもそのような演者構成となりました。
 本研究事業の目的は、「環境保全と健常生活のための先端バイオテクノロジー」の統合研究の基盤となる、環境保全バイオテクノロジーと、人体の電気的・電子的計測および機能補償、そして人体動作機構の機械的欠陥補償の学術分野の学際的融合研究プラットホームを確立することであります。今回開催した公開シンポジウムは、参加者全員にとって、特に先端バイオテクノロジー分野の若い学生や研究員にとって、これからの勉学や研究のための好奇心を生み出し、そして刺激となるものでありました。

シンポジウム開催案内はこちら

120319-1-1.jpg120319-1-4.jpg
120319-1-2.jpg120319-1-3.jpg