東北学院大学

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年頭所感

2013年01月01日

 東日本大震災を超えて新たな東北学院の発展を期待する  


 
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学院長・大学長 星宮 望
 


 新年、明けましておめでとうございます。平成25(2013)年を迎えて、皆様の上に主の平安がありますようにお祈り申し上げます。昨年、東北学院として創立126周年をお祝いすることができましたことを心から感謝申し上げます。しかし、一昨年の平成23(2011)年に発生した東日本大震災の甚大な影響は、今なお大きなものです。建物などの直接的な被害の修復は完了し、授業などもほぼ正常化していることをご報告いたしますが、多数の学生諸君の生活基盤などについては大きな問題が続いています。東北学院大学における被災した学生諸君への「授業料免除」の措置、「給付奨学金」による支援などは、対象の学生数が幾分減少したとはいえ、まだまだ必要な状況です。また、平成25年度から新しく「TGスカラーシップ希望」を新設することにいたしました。これは、今回の大震災できわめて経済的に困難を来たしたために大学進学が困難な学生に対して、学納金などを全面的に免除する奨学金制度で、全学で5名です。これらを実現してゆくため、私立大学連盟などを通して文部科学省へ、引き続き継続的な支援をするよう強く要請しております。同窓生各位の変わらないご理解とご支援をお願いいたします。
 東日本大震災に関連して、新たに「災害ボランティアステーション」を発足させました。全学の教職員・学生各位の大きな協力を得て、着実な歩みをすることができました。被災地支援では、県・市・区の災害ボランティアセンターとの連携活動をはじめとして、全国の多数の大学と協同でボランティア活動を行い、全国的なボランティア活動の拠点として機能するまでになりました。講演・シンポジウム関係では、平成23年5月27日に、全国から十大学の関係者が本学に集まり、「大学間連携災害ボランティアネットワークキックオフミーティング」を開催したことなどがあげられます。
 ところで、震災直後の平成23年4月に発足した文学部総合人文学科についてご報告いたします。これまでのキリスト教学科(学生定員:10名)を改組して、総合人文学科(学生定員:30名)といたしました。この学科には、思想・哲学分野、文化・芸術分野、宗教・神学分野の三分野があり、この内の宗教・神学分野で履修した学生は従来通りに東京神学大学大学院への進学が可能になっており、これまでの本学のキリスト教大学としての特徴を引き継いでおります。発足した初年度から多くの志願者を得て、二年連続して優秀な学生を多く入学させることができ、入試の合格点は全学でトップクラスになっております。長年の懸案であったキリスト教学科の改組にご協力いただいた教員各位に感謝申し上げます。
 一方、東北学院同窓会では、平成24年5月15日をもって、同窓会会長として後藤久幸氏が就任されました。長年にわたって、院長が就任してきた慣例を変えて、学外の同窓生から選任された会長です。また、同窓生から選任された10人の副会長ほか、常任委員、代議員の方々で、東北学院同窓会活動を活発にし、母校東北学院の発展に寄与していただきたいと念願しております。
 今回は、東北学院大学を中心としたご挨拶になりましたが、以上、三点をもとに今後の東北学院のご発展をお祈り申し上げます。
 なお、私自身、任期満了により学長職を離れて、4月からは院長職に専念することになりますが、建学の精神に立脚して「若者の心を育てる」教育を実施して、優れた人材を輩出していけるよう今後とも努力したいと考えております。同窓生各位のご支援・ご協力をお願い申し上げます。