東北学院大学

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日本民具学会研究会『被災民具への対処-現状と課題』開催

2013年09月11日

 東日本大震災における被災した文化遺産については、有形、無形を問わず文化財レスキュー事業など多面的な対処がなされてきました。この中で、民具を初めとする民俗文化財は、動産の文化遺産を対象に実施された文化財レスキュー事業でも主要な対象となり、ドライクリーニングを中心とした応急処置が施されました。
 震災から2年を経た現在、こうしてレスキューされた民具を、その後どのように取り扱うのか、という課題が、被災地の文化遺産に携わる我々の眼前に突きつけられています。
 課題の一つは破損した民具の修理をどのように実施するか、ということですが、それ以上に大きな難問は、資料に関する情報、収集の履歴や使用法等のメタデータが失われたことへの対処にあります。
 今回の研究会では、一つに、被災した民具に対してどのような処置が成されたのか、というレスキュー活動から、その後の対応について報告すること、二つめに東北学院大学のメタデータ回復の取り組みと、最大の被災博物館である石巻文化センターの被災状況、およびメタデータに係る問題点と課題について報告します。
 日本民具学会研究会は、震災で被災した民具に係る課題を提示し、考えようとする研究会です。
 本シンポジウムには、下記の報告者の他、元会長(国立歴史民俗博物館名誉教授)、福島県立博物館や栃木県立博物館、新潟県立歴史博物館、金沢市等の学芸員、新潟県中越地震の文化財レスキューに携わった元学芸員、その他民俗学の物質文化研究に携わる研究者などが多数来場し、多くの話題を提供してくれます。

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第137回日本民具学会研究会「被災民具への対処―現状と課題」

■共 催: 日本民具学会・東北学院大学博物館
    日本民具学会ホームページはこちら
■日 時: 平成25年9月21日(土)~22日(日)
   9月21日(土) 13:00~17:00(東北学院大学にて研究会)
    土樋キャンパス5号館 543教室
   9月22日(日) 10:00~12:00(石巻市にて現地見学)
■会 場: 東北学院大学土樋キャンパス5号館 543教室
   〒980-8511宮城県仙台市青葉区土樋一丁目3-1


【内容】
●9月21日(土) 《1日目》 13:00 ~ 17:00
 土樋キャンパス5号館 543教室
あいさつ 香月節子(日本民具学会理事)
報告1   東日本大震災による被災民俗資料の取扱と課題  小谷竜介
報告2   石巻市鮎川収蔵庫の被災資料メタデータの再構築に向けて
       加藤幸治(本学文学部准教授)・沼田愛(本学大学院文学研究科博士後期課程)
       東北学院大学民俗ゼミ生によるポスター発表・保全作業見学
       (民具の陳列あり)
座談会  「地域で聞いた民具のはなし」
       保全作業見学(収蔵庫・二酸化炭素殺虫処理)

●9月22日(日) 《2日目》 10:00 ~ 12:00
現地見学 石巻文化センターの被災資料の現状
 石巻市へ移動後
報告3   石巻文化センターの被災と資料の現状と課題 成田暢(石巻市教育委員会)