東北学院大学

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アジア流域文化研究所、中国重慶市・恩施市・長陽県・宜昌市で学術交流

2013年11月15日

 アジア流域文化研究所は、10月21日から10月24日の4日間、教員7名・院生3名・学部生1名からなる学術訪中団を組織して、中国の重慶市・恩施市・長陽県・宜昌市を訪問し、国際シンポジウム・現地調査・博物館参観・学術研究会などの学術交流を実施しました。
 まず21日には、重慶師範大学で同学三峡文化与社会発展研究院との共催国際シンポジウム「日中韓周縁域の考古文化と民俗文化」を開催し、平河内健治理事長の開幕講話、谷口満所長の開幕挨拶ののち、本学からは榎森進教授・熊谷公男教授・佐川正敏教授・政岡伸洋教授及び院生の佐々木拓哉君が、また韓国からは朝鮮大学校の李起吉教授が、それぞれの専門について研究発表を行いました。この国際シンポジウムは、今後の日中韓周縁域史共同研究の出発点となるものです。
 翌日午前は重慶市北部の磁器口鎮に出向いて、残存している明清時代の民俗資料を現地調査し、午後はバスで一路湖北省西部の恩施市に向いました。翌朝、開館したばかりの中国土家族博物館(恩施自治州博物館)を参観しましたが、あまりの偉容に全員圧倒されざるをえませんでした。125周年事業で来学された胡家豪館長や、昨年12月のシンポジウムに来学された王暁寧先生など、博物館の方々から熱烈歓迎を受けました。その後、清江の北岸を高速道路で東行し、長陽土家族苗族自治県に立ち寄って長陽博物館を参観しました。
洋館風の瀟洒な建物に、巴族や土家族などの少数民族の展示物がほどよくマッチして、その雰囲気を味あうだけでも価値のある博物館です。旧石器から現代にいたるまでの考古資料と民俗資料を十分に楽しむことができました。
 24日は、宜昌市にある三峡大学で学術研究会に臨みました。同学三峡文化与経済社会発展研究センターとの共催で、テーマは「日中死生観の比較研究」です。センター長黄柏権先生の司会進行のもと、下倉渉教授が中国古代中世の死生観について、辻秀人教授が古墳時代の死生観について、学術講話を行いました。今後、重慶師範大学もふくめて、三峡地区の歴史と文化についての共同研究を実施したいと考えています。
 午後には、宜昌博物館を参観し、三峡考古の進展によって、いかに数多くの資料が新たに発現しているか、目の当たりに確認することができました。
 重慶―湖北省西部は秋でも曇天が多いと聞いていましたが、4日間とも晴天にめぐまれ快適な行程でした。きっと、かの屈原が風伯・雨師に命じて、一行を見守らせてくれたのでしょう。

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