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復活と創造 東北の地域力 シリーズ第5弾 「震災の悲しみを乗り越える」開催報告と来場御礼

2013年11月25日

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 私たちから尊い命や財産などを奪った東日本大震災。発生から2年8ヵ月が経過した現在も、私たちのまわりには未だ心の傷を抱えている方々がたくさんいます。
 そうした東日本大震災からの復興のあり方を考えるシリーズ企画「復活と創造 東北の地域力」が、11月16日に土樋キャンパスで開催されました。
 第5回を迎えた今回は、「震災の悲しみを乗り越える」と題し、悲しみを抱えた方の心をケアするために、今後、社会はどのように進んでいかなければならないのかなど、さまざまな課題を来場者とともに展望しました。

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 シンポジウムの開催に先立ち、松本宣郎学長が「被災地では、人も街もまだ復興の途上であります。東日本大震災以降、心のケアの重要性が取り上げられ、さまざまな形の支援が行われています。心の傷が完全に癒されるまでには長い時間がかかりますが、この場で皆様とともに考えていきたい」と挨拶。続いて、精神科医であり、ノンフィクション作家でもある野田正彰氏を招き、第一部「不幸を乗り越える社会への信頼」の基調講演が行われました。
 北海道南西沖地震、阪神・淡路大震災、そして東日本大震災発生後も多くの被災者の声に耳を傾けるなど、精神的サポートにあたってきた野田氏。被災地の情報が正しく報道されていないなど、被災地の実態を目の当たりにしてきたからこそ語られる真実。最後に「人間同士が信頼できる社会を築いていくことが災害からの復興につながる。それこそが、柔らかい心のあり方だと私は考えます」と述べて講演を締めくくりました。

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 また、第二部では「記憶に付き添う」と題したパネル討論会が開かれ、第一部に続いて野田氏、本学教養学部地域構想学科の植田今日子准教授、司会進行役として本学経済学部共生社会経済学科の阿部重樹教授の3名が登壇。学者として大震災を経験した当事者として、被災者と向き合ってきた植田准教授は「私が訪れた気仙沼市唐桑は海とともに生きてきた街で、海難事故などがあると同じ経験をした人同士で辛さを受け止めてきたという、独自の文化が根付いていました」と、被災地での調査結果などを交えて考えを述べました。
 野田氏は最後に「私が被災地で出会った大学生たちは、だめと言われたことはしない優等生ばかり。しかし、大学生は自分の考えで行動できるわけですから、被災者と正面から真剣に向き合い、コミュニケートしていくことに意義があると思います」とボランティア活動に励む学生たちにエールを送りました。
 東北学院大学では、これからも東北の地域力を高められるよう、地域の皆様とともに考えていきます。

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