東北学院大学

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教養学部地域構想学科の金菱清教授 最新刊『震災メメントモリ ― 第二の津波に抗して』刊行

2014年06月18日

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 本学教養学部の金菱清教授は、今月単著『震災メメントモリ ― 第二の津波に抗して』(新曜社)を上梓しました。津波浸水区域の住宅再建禁止、巨大防潮堤の建設計画に象徴されるように、海と人の歴史を断ち切り、死者を忘却してふるさとを捨てさせる国・県の復興政策は、これでよいのか?
 そして大反響を呼んだ『3.11 慟哭の記録』の出版後に発見した「痛みを温存する記録筆記法」とそれがもたらす心の回復力(レジリエンス)とは?
 震災から3年を経たいま、あらためて被災地に立って “死者に寄り添う”復興のあり方を問いかける内容となっています。
 巻頭にカラー写真集「3.11以後を生きる震災誌」、巻末には仙台で被災し父を亡くした女性の手記「震災覚え書き 灯りの見えない未来――ねじれていった心」が収録されています。
 金菱清教授は、震災1年後に『3.11 慟哭の記録―71人が体感した大津波・原発・巨大地震』(東北学院大学震災の記録プロジェクト・新曜社) 、2年後に『千年災禍の海辺学―なぜそれでも人は海で暮らすのか』(東北学院大学震災の記録プロジェクト 金菱清 ゼミナール編・生活書院)を刊行しており、本書『震災メメントモリ ~第二の津波に抗して~』が3作目となります。
 なお、書店店頭での購入は6月23日以降となります。

『震災メメントモリ ― 第二の津波に抗して』

 目次
  写真集 3.11以後を生きる震災誌
  はじめに
  第1章 彷徨える魂のゆくえをめぐって
  ――災害死を再定位する〝過剰な〞コミュニティ(名取市閖上)
  第2章 「生きなおす」ための祭礼
  ――拠って立つ居場所を具現化する祭礼の意義(北上町釣石神社・女川町竹浦・宮古市浄土ヶ浜)
  第3章 内なるショック・ドクトリン
  ――第二の津波に抗する生活戦略(石巻市桃浦・気仙沼市唐桑町・南三陸町戸倉・宮古市重茂)
  第4章 千年災禍のコントロール
  ――原発と津波をめぐる漁山村の論理(福島県飯館村・石巻市北上町十三浜)
  第5章 「海との交渉権」を断ち切る防潮堤
  ――千年災禍と日常を両属させるウミの思想(気仙沼市魚町)
  第6章 震災メメントモリ
  ――痛みを温存する「記録筆記法」と死者をむすぶ回路
  震災覚え書き 灯りの見えない未来――ねじれていった心(赤井志帆)

  おわりに――震災メメントモリを伴った復興論

140618-2_02.jpg  出版社:新曜社
 ISBN:978-4-7885-1389-1
 震災メメントモリ 第二の津波に抗して
 金菱 清
 初版第一刷 2014年6月20日
 四六判ハードカバー 256ページ+カラー写真16ページ
 定価: 2400円+税


○関連記事はこちら
『3.11 慟哭の記録 71人が体感した大津波・原発・巨大地震』
 https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/info/top/120207-3.html
『千年災禍の海辺学―なぜそれでも人は海で暮らすのか』
 https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/info/top/130405-2.html

○新曜社『震災メメントモリ』紹介ページ
 http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-e075.html