東北学院大学

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大学間連携災害ボランティアシンポジウム 「復興状況の変化と学生ボランティアの役割」開催のご案内

2014年11月27日

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(クリックでPDF表示 1.92MB)

日時:2014年12月12日(金)・13日(土)
場所:東北学院大学土樋キャンパス
場所:8号館5階押川記念ホール・第1~2会議室
共催:大学間連携災害ボランティアネットワーク
共催:復興大学災害ボランティアステーション
共催:復興庁宮城復興局
共催:東北学院大学災害ボランティアステーション
後援:防災からまちづくりを考える実行委員会
備考:申込不要、入場無料

【開催趣旨】希望の発祥地としての被災地

 震災から3年半が経ち、被災地の現実は私たちから遠ざかりつつあるように見える。目に見える傷跡は多くが消えつつある。また、競争原理の強化による経済の活性化と個人の選択や自助努力の強調という社会風潮によって、「自らの努力」を自分に、そして他者に語る言葉が、「他者と共にあること」を語る言葉を遠ざけている。「震災後の今」のリアリティは私たちの目に見えにくく、私たちの耳に聞こえにくくなっている。
 その一方で奇妙な現実がある。ボランティアで被災地を訪れる者の多くは、かつてより「歓待」をしてくれる被災者に多く出会っている。「炊き出し」に行くボランティア学生はむしろ被災者から料理をふるまわれ、祭りの支援に行く学生は、どっさりとホタテをいただいてくる。手を握りに行ったものが、より強く手を握りしめられる。 
 この「歓待」のうちにあるものは何か。困難なうちにあるはずの被災地の人々が見せる歓待は、一方で「外部の人」と繋がる関係への「ニーズ」の深さを示している。しかし、それだけではない。この「歓待」が日常の他者への応接を超えた何かであり、歓待される側ではなく、歓待する側の高貴さを示すような、普通ではない歓待である限り、被災地は、あるいは「被災地と関わっていくこと」は、自助努力が喧伝される社会のあり方を超えた社会のあり方を考える基点となりうるのではないか。そして、「高貴な歓待」が私たちが見据えるべきもう一つの被災地のリアリティであるとすれば、被災地のリアリティを見ず、聞かないことは、社会のもう一つのあり方の可能性を消し去ることを意味する。
 被災地は人と人を結ぶ原理を組み替える希望の発祥地たりえないか――。今回のシンポジウムを通して、被災地の多様なリアリティのうちに、関係へのニーズと、新しい社会のあり方への希望が見出され、共有されることを、主催者側は望んでいる。