東北学院大学

新着情報

【学長声明】工学部学生の退学処分について

2015年03月10日

東北学院大学学長 松本宣郎

 東北学院大学は、2015年2月27日に開催された全学教授会において、さきに本学工学部キャンパスに爆破あるいは有毒ガス散布を予告し、大学の業務を妨害した行為によって逮捕された学生の処分について審議し、当該学生の行為は、学生の本分に著しくもとるものであり、大学が被った損害の大きいことも考量して、「退学」処分とすることを決定しました。行為の重大性を考えるとき、退学処分はやむを得ないものとはいえ、大学として学生にかかる処分を下すことはまことに遺憾であり、痛恨の極みであります。
 本件は、本学工学部2年の学生が、昨年11月18日と12月5日の二度にわたり、工学部建物を爆破するとの予告文を本学に送りつけ、さらに12月12日には、建物内にペットボトルを置くとともに文書で有毒ガス発生と拡散を予告したというものです。大学は、その都度授業を休止し、警察と協力して爆破物なるものの捜索、有毒ガス発生への対応に奔走しました。結局のところ、爆破物などは発見されませんでした。しかし、これらの行為は、多くの学生・教職員に大きな不安を与え、授業をはじめとする教育研究活動を妨害し、本学に多大な迷惑を及ぼしました。12月12日、学生は当局に逮捕され、その後、威力業務妨害により起訴され、現在裁判が継続中です。
 まず、大学としては、今回の事態によってご迷惑とご心配をおかけした方々、とくに工学部が所在する多賀城キャンパス周辺の地域住民の皆さま、そして学生及び教職員の皆さまに心よりお詫び申し上げます。今後、二度とこうしたことが起こらないよう、最大限の努力を払うことをお約束します。また、事件発生時の緊急対応に際して、大学教職員と学生諸君から全面的にご協力いただいたことに対しても、厚く感謝いたします。
 さて、爆破予告文書中には、当該学生が学内で「いじめ」を受け、またキャンパス内で見知らぬ人物に金銭を奪われるなどして、本学での学生生活に不満を募らせていることが、こうした行為で大学に損害を加える理由とされていました。大学は、この点に関して、拘留中の学生に面会した際、また保釈後来学した際にも、事情を聴き、本人から申し出があれば調査する用意があることを伝えました。しかし、その後、学生からは「文書に記載したいじめと金品を奪われたことについては、現在では記憶も曖昧であり、大学に調査等を依頼はしない」との意志の表明がありました。この間、大学としても独自に調査を行いましたが、現時点では、いじめや恐喝のような事実は確認できておりません。
 また、今回の事件では、11月18日の爆破予告文が、インターネット上に流出してしまいました。これは、大学関係者による当該文書コピーのずさんな取扱いによるもので、まさに失態としか言いようがありません。大学では、問題発生直後から、調査委員会を設け、原因究明と改善策を探ってきました。事実はおおよそ解明されましたが、調査委員会の作業がまだ続いており、近く報告が出される予定です。
 現在、当該学生は自らの行為の重大性をよく認識し、深く反省し、大学に対しても正式に謝罪を行っています。大学は、学生が、今回の行為への深い反省に立って、立ち直ることを強く希望しております。
 最後になりますが、本学は、すべての学生が快適で、充実した大学生活を営むことができるよう、今後とも最善を尽くすことをお約束します。教職員・学生および関係者各位にはぜひともご協力をお願いいたします。そして東北学院の真の創設者である神さまのお守りが、学院と、また当該学生の未来の上にもあることを心より祈るものであります。