東北学院大学

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文化財レスキュー活動「鮎川浜の賑わい ―よみがえる60年前の古写真帖―」を作成

2015年04月17日

150417-1_03.jpg 本学歴史学科の民俗学実習では文化財レスキューの活動を継続的に行っています。昨年度の文化財レスキュー関連活動の締めくくりとして、2月9日~15日までイオンモール石巻店 海の広場にて、企画展「牡鹿半島・思い出広場」の写真パネルをで開催しましたが、このたびその展示パネルを小冊子にして被災地で配布しています。
 内容は、半世紀以上前の牡鹿半島・鮎川浜のくじら祭りの写真の数々。写真は、当時のにぎわいのイメージを鮮明に蘇らせてくれるようで、被災地のみなさんにとても楽しんでいただきました。今回作成した冊子は、鮎川浜の復興商店街「おしかのれん街」で配布しています。今年度は、6月と8月に鮎川でイベントを開催しますので、その折にも無料配布する予定です。
 現在、東北学院大学文化財レスキュー班では、600枚あまりの牡鹿半島の古写真を整理作業中です。民具とともにこれらを活用して、かつての町のにぎわいとこれから復興していく地域のくらしのイメージとをつないでいきたいと思っています。

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ごあいさつ

 牡鹿半島の突端に位置する鮎川浜は、近代捕鯨の前線基地として明治時代から栄え、商業捕鯨禁止後も小型沿岸捕鯨を中心に捕鯨文化が育まれてきました。
 この小冊子では、東日本大震災前に地域で収集された古写真から、昭和初期から中期の風景とクジラ祭りを写したものを選んで収録しました。。写真は、「鮎川の風景を思う会」からの提供によるもので、現在東北学院大学の学生が600枚を超える古写真の整理と調査を始めています。
 活気に満ちた鮎川浜のすがたは目を見張るものです。とりわけ約60年前のクジラ祭りの賑わいを伝える写真は、すべて鮎川在住の鹿井清介さんの撮影によるものです。今後も、地域で展示する機会を作っていこうと考えています。
 みなさんの胸のうちに今も鮮明にある、くらしの風景を、こうした資料からよみがえらせていきましょう。

東北学院大学文学部准教授  加藤 幸治
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