東北学院大学

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「街からの伝言板」続報 2月13日全館オープン予定の荒井駅附設「せんだい3.11メモリアル交流館」にて展示

2016年01月25日

 本学教養学部地域構想学科の植田今日子准教授が企画監修し、平成26年度から取り組んできた、仙台市震災メモリアル・市民協働プロジェクト「街からの伝言板」。
 このプロジェクトのインタビューには教養学部の学生たちや一般から参加してくださった市民の皆さん、本学の宮本直規先生・酒井朋子先生も参加し、実習の時間も活用して、2年間街中での聞きとりを重ねてきました。
 仙台の市街地中心部で「次の震災でここに居合わせた人にどんな伝言を残しますか」という質問とともに、未来の被災者に向けたメッセージを集める聞き取りを重ねてきました。多くの市民の方々にご協力いただき、これまでに100ヵ所以上でインタビューすることができました。
百貨店、薬局、スーパー、八百屋さん、お茶屋さん、ふとん屋さん、床屋さん、パン屋さんなどの多彩な業種の商店の方々、老舗のうなぎやさん、おでんやさんからカフェまで、大小の飲食店を営む方々、バスやタクシー、地下鉄などの公共交通を担う方々、学校や病院、自治体、福祉施設などの公共機関で働く方々、水道、ガス、電気やガソリンなどのライフラインを担う方々、そしてラジオ局、新聞社などのマスコミ関係者の方々。特に注意して耳を傾けてきたのは、当時の感情、そしてライフラインも交通網も途切れてしまった後で展開していたさまざまな工夫や知恵です。こうしていればよかった、ああすればよかったという後悔や改められた心構えなども記録するように努めてきました。平均して37年ごとに地震が訪れると伝えられてきた街、「仙台」でどのような伝言が紡がれているのでしょうか。
 この度その成果として、地下鉄東西線荒井駅に2月13日(土)全館オープンする「せんだい3.11メモリアル交流館」において、収集してきた語りと、仙台市街地を鳥の目で見下ろす鳥瞰図(画:中田匠氏制作)とを併せて展示いたします。

 場所:荒井駅(仙台市営地下鉄東西線)附設の「せんだい3.11メモリアル交流館」
 期間:2月13日(土)~

 なお、展示は『街からの伝言板』の母体である『伝える学校』やその他の震災アーカイブプロジェクトと共に展示されます。ぜひ『街からの伝言板』をはじめ数々のメモリアルを、見に、読みに、聴きにおいでください。

『街からの伝言板』編集チーム

阿部美帆・安瀬美咲・石川由梨恵・遠藤智絵・太田航史郎・佐藤洸輔・高田綾香・高橋七海・若生有吾(東北学院大学教養学部)

 また、このプロジェクト総括の一貫として以下のトークイベントも開催されます。

「河北」と「神戸」:あれから5年と21年

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(クリックでPDF表示 652KB)

 加藤正文(神戸新聞社)× 松田博英(河北新報社)

震災から21年を数える神戸市と5年を数える仙台市。
ふたつの市街地では、震災、避難生活、生活再建、復興そして防災はどのように伝えられてきたのでしょうか。
老舗地方紙である「神戸新聞社」と「河北新報社」で、ふたつの震災を記録してきたふたりの記者をお招きし、新聞に託されてきた「伝言」についてお話を伺います。日々紙面上に震災を伝えてきた新聞社は、発災時のみならず、震災以降「アーカイブ」としてどのような役割を果たしているのかについてもお話いただきます。

場所:荒井駅(仙台市営地下鉄東西線)附設の「せんだい3.11メモリアル交流館」
期間:2月21日(日)14:30~16:30 [14:00開場]



「せんだい3.11メモリアル交流館」については以下のホームページへ。
http://sendai311-memorial.jp/

過去の記事
「街からの伝言板」がスタート

植田先生の過去記事
『更地の向こう側--解散する集落「宿(しゅく)」の記憶地図』 宮城県気仙沼市唐桑町を舞台とした「津波で失われた集落の記憶と記録」を出版