東北学院大学

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教養学部・金菱清教授に社会調査協会賞「優秀研究活動賞」受賞

2019年11月22日

 2019年11月17日(日)、社会調査協会による令和元年度「社会調査協会賞」授与式が嘉ノ雅 茗渓館(東京都文京区)にて行われ、東北学院大学教養学部地域構想学科の金菱清教授に第9回『優秀研究活動賞』が授与されました。
 社会調査協会は、日本における社会調査の質の向上と社会的信頼の確立をめざして活動している団体で、2003年に発足した社会調査士資格認定機構の事業を継承・発展させる形で、2008年に一般社団法人として設立されました。
 この社会調査協会の表彰選考委員会が過日開催され、2019年度の社会調査協会賞について審議され、その結果、金菱教授のこれまでの活動に対し下記の受賞理由で、『優秀研究活動賞』の授与が決定しました。
 この賞は、社会調査活動を継続的に行い、それに基づく優れた研究業績をあげている研究者や実務者を表彰するもので、特定の業績ではなく、これまでの調査や研究活動全体を評価する点に特徴があります。

 授賞理由は、以下のとおりです。

 優秀研究活動賞は、個別の論文や著作ではなく、一連の調査研究活動全体に対して表彰するものである。金菱氏は、東日本大震災における津波や原発の被害を受けた当事者の手記である「3.11慟哭の記録」以来、被災者や被災地の調査研究に精力的に従事し、当事者の主観的な世界を描いた独特の質的調査データの創出にこれまで貢献してまいりました。近年では亡き人への手紙プロジェクトという形で生者だけでなく、死者や故郷などの社会的つながりのなかで人々はどう生きているかを示す質的なデータの蓄積に取り組んでいます。これらのデータの創出にもとづき、現場や当事者の視点から既存の学問観や客観的な科学的視点に基づくとされる防災政策に疑問を呈し、ひいては人間観や自然観をも問い直す試みもしています。以上のような広く社会に震災被害の実像とその意味を伝え、既存の災害対策への疑問を惹起させるような個性的かつ衝撃的な質的調査データの創出に努めてきたことは、量的調査データに較べて、その収集の仕方や活用に関する検討が遅れている質的データの意義や評価、限界を方法的にこれから見極める言及を将来的に促す意味においても、その功績は非常に大きい。

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写真提供:社会調査委員会