東北学院大学

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地域教育科目「地域の課題Ⅱ」(地域課題版)のフィールド調査報告

2020年03月03日

 2年生選択科目である「地域の課題Ⅱ」(地域課題版)の授業は、黒板の前で行う授業と対極を成す、地域という教材の中で自らの知的感性を下に学びを深める授業の形態を取っています。2019(令和元)年度は、富谷市成田地区で行われているNaritaマルシェ活動での参与観察(泉キャンパス対象)及び多賀城市宮内地区の災害公営住宅の住民意識調査(質問紙調査)(多賀城キャンパス対象)を行いました。

 いずれも東日本大震災との関わりがあり、被災地宮城県にある東北学院大学として、大震災との関わりを意識した学びの場が必要であると考え、このフィールドを調査対象地に選定しています。

 授業は、地元の関係者及び行政による特別講義を受けて基本的な情報を得てから、対象地での調査活動に入りました。Naritaマルシェ活動では、参与観察、聞き書き及び行政が行う「わくわく子ども会議」の傍聴・インタビューに参加し、災害公営住宅の住民意識調査では、質問紙の設計から分析・提案まで行いました。

授業の様子
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地域での活動の様子
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 地域の課題Ⅱ(地域課題版)は、こうした住民と直接関わる機会や、住民生活の大変さを想像(社会的想像力)しながら質問項目をつくる等の授業を通して、教科書や教員の話による授業とは異なる、学生自らの感性で地域の課題を発見しその対策を提案するものとなっています。

 こうした、地域という教材に身を投じて学んだ貴重な知は、各レポートとして執筆されています。こうした、現場での学びの集積が、地域の課題Ⅱ(地域課題版)フィールド調査報告書『課題解決の鍵は地域にある』です。
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 この報告書は、フィールド調査対象地の富谷市及び多賀城市に並びに調査対象団体に報告しました。
 富谷市では、市長室に招かれ富谷市長に直接報告することができました。また、多賀城市では、コミュニティづくりを担当している地域コミュニティ課長に報告することができました。それぞれの場で、様々な質問が矢継ぎ早に出され、関心の高さを感じました。

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 最後に、東北学院大学学長に報告しました。学長からは、この授業を選択した意図や自分が感じたことの背景に関する質問が出され、学生は久しぶりの緊張感を味わっていました。学長が、様々な質問を出してくれたことは、本授業を担当する教員として大変嬉しいことでした。改めて、地域教育科目に対する関心の高さが伺い知れる場でもありました。
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 地域教育科目「震災と復興」1年次選択、「地域の課題Ⅰ」2年次前期必修、地域の課題Ⅱ2年次後期選択及び地域課題演習3年次選択の四科目は、デジタル的思考とアナログ的思考を融合させて学びを深めることのできる科目です。こうした学びの機会を一人でも多くの学生に体感して頂きたいと考えています。 「震災と復興」「地域の課題Ⅱ」(地域課題版)及び地域課題演習(地域課題版)の履修選択を検討して下さることを節に希望します。

文責 地域共生推進機構 本間照雄