東北学院大学

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CSWスキルアッププログラム最終報告会の報告

2020年03月02日

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 2月22日(土)13時から土樋キャンパス ホーイ記念館3階H301教室において、「コミュニティソーシャルワーカー(CSW)スキルアッププログラム最終報告会」が開催されました。阿部重樹地域共生推進機構長が開会のあいさつとして趣旨説明を行い、「年度ごと取り組み方が違うので興味深く、いい成果を期待しています」と語りました。続いて本間照雄特任教授がタイムスケジュールと事例検討の進め方を説明して、「住民と一緒に課題解決のイメージをもって、グループワークを進めてほしい」と伝えました。来賓の仙台市や仙台市福祉協議会の方々の紹介の後、さっそく11名の受講生は3つのグループに分かれてワークショップに入りました。
 課題は、「認知症の高齢者が徘徊して列車事故で死亡。その家族に鉄道会社から損害賠償の請求が出された実話の事件をもとに、CSWとしてあるべき振る舞いを検討する」というテーマです。

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 最初の30分間は、事実関係をもとに、在宅介護下にある認知症高齢者の状況把握を明らかにする時間に当てられました。まず、問題点の整理を行い、裁判の論争の整理へと入っていきました。Aチームはコピー用紙に論点を整理し、Bチームは付箋を多用するKJ法を中心に、Cチームはホワイトボードに関係図をチャート的にまとめる手法をとり、それぞれの個性が最初から表れていました。
 次の30分間では、課題解決の検討に入りました。認知症高齢者の安全・安心が担保される地域社会を築くための施策。具体的な事件のテーマから、汎用性のある解決策を探り、プラットフォームを形成しながら、CSWとしての振る舞い方や担うべき役割を探っていきました。それぞれの視点や体験から、忌憚のない意見が白熱した中で交わされ、次々とまとめられていきました。
 タイムスケジュールはあくまでも参考で、臨機応変に進みながら、最終報告書はA4一枚にタイトルをつけ、課題点から解決策までの項目ごとに要点を簡潔にまとめる、という形態です。各グループでは親しい仲にも白熱した議論が展開されて、一枚の紙に要点が集約されていき、発表の時間を迎えました。

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 1チーム8分間のプレゼンテーション時間。Aチームは『認知症高齢者を地域で支える ~安全安心な生活のために~』というタイトルで、保護監督義務のスタンダードづくりや保証制度づくりを整えながら、地域の理解を促してエリアで見守る関係づくりにポイントが置かれました。Bチームは『安心して認知症になれる地域を作る!』と題して、見守りの具体的な担い手や啓蒙の方法を提案。CSWが地域や行政とのコーディネート役になることを訴求しました。Cチームは『超高齢社会 ~認知症高齢者を社会で支えるには・・・~』というタイトルで、事故の保証システムづくりに力点を置き、介護保険の充実と、現代にふさわしい条例の制定まで踏み込みました。

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 それぞれの発表が終わり、現場で働く来賓の方々から感想をいただきました。この短時間でこれほど重く深いテーマを、それぞれ独自の視点で要約し、提案する高い能力は、この1年間での学びから養われたものであることが伝わってきました。受講生の皆さんからはやり終えた達成感が静かにあふれて、同期の一体感が教室内の空気にも共鳴していました。
 3月14日(土)は、2019年度のCSWスキルアッププログラム修了式が予定されています(※3月14日開催予定だったCSWスキルアッププログラム修了式は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染の拡大を鑑み、中止となりました)。この1年間の濃密なカリキュラムを終えた皆様の、各地域や職場での活躍が大いに期待されます。
 今回で4期目を数える、東北学院大学履修証明プログラム「コミュニティソーシャルワーカー(CSW)スキルアッププログラム」の総修了生は、今期を含めると49名を数えます。こうした人材が、地域社会の様々な分野で活躍し、地域資源の発掘、橋渡し、住民と行政、住民と地域資源等々の協働・実践に大きな役割を果たし、地域力の向上に寄与し「地域共生社会」構築推進の役割を担ってくれるものと期待しています。
 現在、2020年度東北学院大学履修証明プログラム「コミュニティソーシャルワーカー(CSW)スキルアッププログラム」受講生の募集が始まっています。
 募集要項につきましてはこちらをご覧ください。