東北学院大学

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第3回仙台短編文学賞「東北学院大学賞」受賞者が決定

2020年03月09日

 3月4日(水)14時、第3回仙台短編文学賞の受賞者が決定し、報道発表が行われました。
 2017年に最初の公募が行われた仙台短編文学賞。「仙台・宮城・東北と何らかの関連がある作品」であればジャンルを問わず、だれでも応募資格があることがこの地域文学賞の魅力の一つです。大賞、仙台市長賞、河北新報社賞、プレスアート賞、東北学院大学賞の各賞があり、選考委員を務める芥川賞作家の柳美里氏や各団体で選考し、各賞が決定しました。
 今回の応募総数は477編。県別では宮城県が最多の148編(東京都が78編で第2位)で、東北6県では合計201編となり、全体の42%を占めました。国内からは北海道や沖縄など41都道府県、海外からはオランダ、フィンランド、台湾からの応募がありました。最年少応募者は14歳、最高齢応募者は92歳でした。
 東北学院大学賞の受賞作品名、選考理由、受賞者の言葉等は下記の通りです。

東北学院大学賞 「冷たい朝が来るまえに」

水津藤乃(26歳・東京都在住)

<選考理由> 東北学院大学長 大西晴樹
 祖父の危篤を聞き、久しぶりに地元に帰った主人公が周囲の変化を目の当たりにしつつ、主人公自身が知らず知らずのうちに変わっていく姿を描いた物語。著者自身の経験が描かれたものかと思ってしまうほどの作品であるが、主人公の変容過程をテンポよく読み進めさせる技術は秀逸である。これからの作品に大きな期待を抱かせる作品である。

<受賞者の言葉>
 修論を終えた安堵から昼まで眠っていた日に、受賞のお報せを頂きました。電話で温かいお言葉をかけてもらえて夢心地でした。同賞を知ったのは、昨年岩手に帰省した時のことです。修論の気分転換にハートフルな話を書こうとしたのに、ちょっと違うテイストになってしまいました。やっぱり、家族を無条件に良いものとして扱うことはできなかった……。同賞は、そんな私の作品を拾ってくれた懐の深い文学賞です。拙い文章でしたが、それでも評価してくださった選考委員の皆さま、関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

また、そのほかの賞については下記の通りです。

大賞

「境界の円居(まどい)」佐藤厚志(37歳・仙台市在住)

仙台市長賞

「鵜(う)の尾崎(おざき)まで」高玉(たかだま)旭(あきら)(59歳・福島県在住)

河北新報社賞

「波打ち際の灯(あか)り」柿沼雅美(34歳・東京都在住)

プレスアート賞

「妻を纏(まと)う」梶浦公平(70歳・青森県在住)

第3回仙台短編文学賞受賞作品の掲載媒体(発表順)

① 大賞と河北新報社賞は、3月18日(水)の河北新報朝刊に掲載
② 仙台市長賞と東北学院大学賞は、『震災学』(3月31日発売予定)に掲載
③ 大賞とプレスアート賞は、『Kappo 仙台闊歩』(4月3日発売号)に掲載
④ 大賞は『小説すばる』(4月17日発売号)に掲載予定

 授賞式は、4月18日(土)16時~17時で、仙台文学館で開催されます。

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荒蝦夷代表・土方正志氏

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選考委員・柳美里氏

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事務局 プレスアート・川元茂氏

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記者発表の様子