東北学院大学

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夏季休暇を迎える学生の皆さんへ

2020年08月12日

 夏季休暇を迎える学生の皆さんへ

東北学院大学    
学長 大西 晴樹

 連休明けからオンラインの遠隔授業として始まった前期の授業も、ようやく終わりとなり、明日から9月16日まで大学は夏季休暇に入ります。当初懸念されたサーバーダウンが発生することなく、PCやWi-fi環境を用意することのできない学生に対しても、アンケートによる絞り込みによってPCやWi-fi環境を整え、本学の合言葉である「一人の学生も迷うことなく」遠隔授業が実施できたことに感謝しているところです。もちろん、教員にとって、遠隔授業は不慣れで初めての経験であり、受講している皆さんも、課題、レポート等の作成に追われ、疲労困憊しているのではないかと心配しています。6月30日から実施した学生向け「遠隔授業の受講状況に関する調査」を分析し、後期に向けて、遠隔授業のいっそうの改善を図っていくつもりです。

 さて、7月22日に「2020年度後期授業の実施について」という学長通知でお知らせしたように、後期は、「みやぎアラート」により感染状況をよく見極めながら、対面授業とオンデマンド授業を組み合わせた授業を実施する予定です。しかし、昨今の感染状況は、第2波の到来を思わせるものがあり、私たちは、ワクチンが普及するまで、ウィズコロナの中で生活していかなければなりません。まさに聖書が言っているように、「わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れのなかに羊を送り込むようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい」(マタイによる福音書10章6節)という状況そのものです。そこで、夏季休暇から後期にかけて心がけてほしい、3つのことをお伝えしようと思います。

 第一に、前期の遠隔授業により一人でいる時間が長かったと思います。大学生の夏季休暇期間は本来ならば、様々な人びとに出会う絶好の機会です。孤独に陥らずに、3密を回避しながら、様々な人びとに出会う機会を積極的に求めてください。3密を回避しながら、クラブ活動、サークル活動、ボランティア活動等にも加わることです。私はとくに、大学に入学したものの、まだ教師と出会い、友人を作る機会のない1年生のことが気がかりでなりません。遠隔での開催となりますが、後期授業開始前の3日間のうちの1日、学生部主催で各グループ別に新入生歓迎行事を実施します。グループ担当教員、グループリーダー学生の紹介をはじめ、新入生どうしの交わり機会を作りますので、ぜひ参加してください。

 第二に、広いキャンパスを大いに利用してください。8月中旬の一斉休暇中は使えませんが、その後は、夏季休暇中のキャンパス利用を許可しています。検温とマスクの着用、学生証の読み取りだけで、図書館、Wi-fi用の教室、情報処理センター、ラーニング・コモンズは自由に使えます。体育館、グラウンドの利用には学生部の許可が必要でしょうが、夏季休暇中のキャンパスは、友人と語らい、伸び伸びと自分の研究課題と取り組むことのできる贅沢な空間です。7月6日に一部対面授業を許可してから、皆さんをキャンパスで見かけるようになりました。皆さんをキャンパスで見かけると、なぜか私も安心するから、不思議なものです。

 第三に、新型コロナウイルスの感染に注意を払うことは大切なことですが、感染したかのように他人を誹謗中傷したり、感染した人を差別したりしないことです。私は、ウイルスは怖いけれど、もっと恐ろしいものは、人間の心から発する言葉の暴力だと考えています。誰しも好んで罹患する訳ではありません。万人が感染する可能性をもっています。命の危険を冒してコロナと向き合っている医療従事者の方々や、私たちの生活を支えるために働いているエッセンシャル・ワーカーの方々のことを考えると、他人を侮蔑する心無い言葉遣いや態度は戒められなければなりません。聖書には、こんな一節があります。「あなたがたも、まだ悟らないのか。すべて口に入れるものは、腹を通って外に出されることが分からないのか。しかし、口から出てくるものは、心から出てくるので、これこそ人を汚す」(マタイによる福音書15章16-19節)。私たちは、状況が悪化したとしても、冷静に対応できるような「心の目」を十分に養っていきたいものです。

 以上、暑い季節を迎えますが、十分に体調に注意して、充実した夏季休暇を過ごしてください。