東北学院大学

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実験研究におけるストループ課題の級内相関係数をはじめて計算

2020年12月09日

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【本件のポイント】
・高次認知機能の評価に頻繁に使用されるストループ課題の実験研究における級内相関係数(ICC)を混合モデルによりはじめて計算した。
・横断的研究で推奨されてきた中立課題と不一致課題の差(ストループ干渉)を実験研究に用いると、ICCが低下し、実験条件の効果を検出しづらくなる。
・ストループ干渉のICC低下の原因は、実験全体での測定誤差の増加である。
・実験研究では不一致課題による高次認知機能の評価が良い可能性がある。

 本学地域構想学科の高橋信二教授とUniversity of QueenslandのPhilip Grove博士の共同研究により、高次認知機能の評価に頻繁に使用されるストループ課題の実験研究における信頼性の指標であるICCを混合モデルにより計算しました。その結果、1)横断的研究で推奨されてきた中立課題と不一致課題の差(ストループ干渉)を実験研究に用いると、ICCが低下し、実験条件の効果を検出しづらくなること、2)その原因は実験全体での測定誤差の増加であること、3)実験研究では不一致課題による高次認知機能の評価の方が適している可能性があること、がわかりました。この成果は、認知機能の実験研究の計画において貴重な情報となります。
 本研究の成果は、2020年12月7日に国際学術誌「Frontiers in Psychology」に掲載されました。