東北学院大学

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経済学科白井ゼミ、倉田ゼミの学生チームが日本政策学生会議「政策フォーラム2021」で分科会賞を受賞しました

2021年12月23日

 12月11、12日、日本政策学生会議(ISFJ)主催の「政策フォーラム2021」がオンラインで開催され、本学経済学科の白井ゼミと倉田ゼミに所属する学生チームがそれぞれ、分科会賞を受賞しました。

 ISFJは「学生の政策提言による望ましい社会の実現」を理念とする学生シンクタンクで、本学はじめ国内の大学生により運営されています。参加学生は、産官学それぞれの専門家との勉強会や中間発表会での議論を経て、毎年12月に開催される「政策フォーラム」で政策提言論文のプレゼンテーションを行い、今年度は26の分科会に108チームが参加しました。

 分科会賞は各分科会の中で最も優れた発表に対し贈られる賞で、白井ゼミ所属の学生チームは「老後2000万円問題」が話題となる中、60歳以上の世帯において「2000万円」以上の貯蓄を持たない世帯が6割以上と多く、同時に株式などのリスク金融資産の保有割合が低いことに注目。これを家の延床面積という独自の視点から分析し、延床面積の広い借家に居住している家計が持ち家と比べてリスク金融資産を保有する傾向にあることを明らかにしました。その上で、ファミリー向け借家の供給増加と定期借家制度の普及などこれを実現するための政策を提言し「金融・財政②」分科会で受賞しました。
 「都市交通②」分科会で受賞した倉田ゼミ所属の学生チームは、身近で走るエコカーから着想を得て自動車の二酸化炭素(CO2)排出量削減について取り組みました。チームは、世界的に話題となっている「2050年カーボンニュートラル」を念頭にその時点の日本における最適な車種構成を、車両コストなどの経済性とCO2排出量の環境性の2つの側面から算出。これに補助金などの制度も加味した結果、自動車のCO2排出量について現実的な削減規模は2020年比で30%であることを示しました。また日本政府が打ち出しているガソリン車の新車販売中止という施策よりも、ガソリン車に電気自動車といったクリーンエネルギー車を組み合わせた構成の方が、現実的かつ長期的にCO2削減が期待できるという提案も盛り込みました。

 参加に当たり、白井ゼミ・倉田ゼミの学生チームは、両ゼミ合同でディスカッションを行うなど、研究成果が伝わるよう十分に準備してきました。このような熱心な取り組みが、今回の受賞につながりました。

【受賞の概要】
● 分科会
 金融・財政②
● タイトル
 住宅保有が家計のリスク金融資産投資に及ぼす影響
●著 者
 日下 向燿(経済学科3年)、佐藤 凌(同)、曳地 航大(同)
●受賞者のコメント
 応募した時から受賞することを意識し取り組んでいたので、大変うれしいです。指導頂いた白井先生はもちろん、一緒に研究に取り組み支えてもらった他のゼミ生にも感謝しています。
 取り組んだ当初から試行錯誤の連続でしたが、分科会賞として評価頂いたことで自分たちの着眼点や研究の方向性が間違っていなかったと感じました。
 今回の分析は単年のデータに留まったので、今後は複数年に渡って分析したり法律や制度など背景事情なども学び研究をさらに深め、ゆくゆくは学術誌への投稿も目指してみたいです。
●指導教員のコメント
 受賞したチームの研究テーマは、株式投資をする人が少ないという古くから知られている問題を、住んでいる住宅の広さに注目して検証するという他に例が見られない、学術的にも興味深い研究です。
 ゼミに入ってから2年間、ゼミ生同士で切磋琢磨し一生懸命取り組んだ成果が大会でも評価されたことを、わが事のようにうれしく思います。(経済学科 講師 白井 大地)

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● 分科会
 都市交通②
● タイトル
 自動車部門のポートフォリオ最適化による現実的なCO2削減目標と補助金規模
●著 者
 菊田 大翔(経済学科3年)、小山 瑞稀(同)、本田 太輝(同)、渡邊 重杜(同)、渡辺 結衣子(同)
●受賞者のコメント
 5人のチームだったのでスケジュールの調整が難しく、全員集まっての活動がなかなかできず苦労しましたが、役割分担しながら進めてきました。
 倉田先生やゼミの先輩のほか、他大学の先生からも指導を頂き感謝しています。ゼミでの発表時には、ゼミの仲間から色々と手厳しいコメントももらいましたが、その穴を埋めることで内容がブラッシュアップされ今回の受賞につながったと感じます。
 今回の研究では、課題を見つけたりそれを解決するための方法や考え方を学ぶことができ、これを今後の学生生活や就職活動、さらにその先の人生でも生かしていきたいです。
●指導教員のコメント
 ポートフォリオ最適化という大変難しい方法に取り組み、日本の将来に向けた具体的な政策提言ができたことは特筆の価値があります。専門家とのディスカッションの機会を自らつくる積極的な姿勢と、先生や専門家、ゼミの仲間からの意見を踏まえ具体的な政策を提案できる柔軟性と行動力は、本当に素晴らしかったです!(経済学科 教授 倉田 洋)

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