東北学院大学

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経済学科佐々木ゼミの学生が「行動経済学会第15回大会」でポスター報告奨励賞を受賞しました

2022年01月20日

 2021年12月11日、12日に成城大学を主会場にオンライン併用で開催された「行動経済学会第15回大会」で、経済学科の佐々木ゼミに所属する佐々木真衣さん(3年)がポスター報告奨励賞(学部生部門)を受賞しました。

 行動経済学会は、日本の行動経済学研究の促進と発展を目的として2007年に設立されました。ポスター報告奨励賞(学部生部門)は若手研究者の育成・顕彰を目的に設けられた賞で、本学の学生が受賞するのは初めてのことです。大会には、佐々木さんとともに同じく佐々木ゼミ所属の安藤風香さん(3年)、松永翔さん(同)が参加して「新型コロナ・ワクチンに関するニュースの正誤判断と情報共有判断:東北学院大学生を対象にしたアンケート調査の分析結果」の研究テーマでポスター発表を行いました。佐々木さんは代表報告者として研究資料や研究紹介動画を用いて報告をし、一次審査と二次審査の結果、今回の賞を受賞しました。

 審査員の先生方からは、「先行研究を踏まえた上で、丁寧な分析がなされている」「ネット情報が間違っていると分かっていても共有する人たちが一定程度いること、正誤判断を促すことで誤情報の拡散を抑制できることを、しっかりとした実験枠組みで明らかにしていることがとても興味深い。動画の解説も良くできている」と高く評価されました。また、「実験結果を生んだメカニズムについて、より詳細に議論できると良い」と将来研究に向けたコメントもありました。

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【受賞の概要】
●タイトル
 新型コロナ・ワクチンに関するニュースの正誤判断と情報共有判断:東北学院大学生を対象にしたアンケート調査の分析結果
●受賞者
 佐々木 真衣(経済学科3年)
●著 者
 佐々木 真衣(経済学科3年)、安藤 風香(同)、松永 翔(同)
●研究概要
 この研究は、東北学院大学経済学部生を対象に独自のアンケート調査を実施して、真のニュースと偽のニュースの両方を含む、新型コロナ・ワクチン関連ニュースの正誤判断と情報共有判断について分析しました。具体的には、293名の回答データを使って「ニュースの正誤判断を正確にできているのか」「誤情報と分かっていても周囲と共有しようと思う人がどれくらい存在するのか」「誤情報の共有を抑制することは可能であるのか」という3つの問いを検証しました。結果として、大部分の回答者が誤情報を誤情報として正確に判断できていること、誤情報であると正確に判断できている人の中にその誤情報を周囲と共有しようと思う人が一定割合存在することが分かりました。また、事前にニュースの正確さを意識させる介入を行うことで、誤情報の共有を抑制できることが分かりました。しかし、この介入は正しい情報の共有をも抑制してしまうという、新しい課題も発見されました。
●研究紹介動画

●指導教員のコメント
 学生たちが研究アイデアを出し合い、ひいきのYouTuberのネット炎上への興味関心から、フェイクニュースをテーマに設定して研究を行うことになりました。アンケート調査、論文執筆、学会発表などすべてが初めての体験で戸惑ったと思いますが、何度もやり直して、よく頑張りました。データ分析から現状を把握して適切な対策を提案するという一連の取り組みを、社会人になった後も実践していって欲しいです。(経済学科 准教授 佐々木 周作)

【関連リンク先】行動経済学会第15回大会