東北学院大学

新着情報

工学部機械知能工学科の梶川伸哉教授と本学卒業生の近江大樹氏の共著論文が第24回「日本福祉工学会論文賞」を受賞

2022年11月30日

 工学部機械知能工学科の梶川伸哉教授と本学卒業生の近江大樹さん(大学院工学研究科機械工学専攻修士課程修了)の共著論文が第24回「日本福祉工学会論文賞」を受賞しました。
 日本福祉工学会は、21世紀の超高齢化社会を迎える前に生きがいの創造や快適な生活を計画し、支援する目的で創設されており、この賞は「日本福祉工学会誌」に掲載された優秀な研究報告に授与されるものです。

221128-2_1.jpg

 

 受賞名:第24回(令和4年度) 日本福祉工学会論文賞
 論文名:粘弾性負荷を有するジョイスティックを用いた舌運動トレーニング
 著 者:梶川伸哉教授、近江大樹氏

 この論文は、食べ物をうまく飲み込めなくなる症状の改善と予防のため、舌の運動機能の維持と向上のために開発した独自の舌運動トレーニング装置についてまとめたものです。装置を用いて長期間トレーニングをした後の、舌の機能向上の過程が緻密に解析されており、新しいトレーニング方法の有効性が的確に示されているものとして高い評価を受けました。
 舌の運動機能が低下すると、食べ物を咀嚼しやすい塊として形を整えたり、のどの方向へ送り出すことが困難になっていきます。
 これまで舌の運動トレーニングは、舌の突き出し運動や舌回し運動などが多く行われてきましたが、トレーニングの効果を数値などで確認しにくいものでした。この論文の研究では、レバーを傾けることで方向の入力が行えるジョイスティックの装置を製作。これを舌で操作してパソコン上の線画をトレースするトレーニングを複数名の学生で行い、舌の可動域や力などの運動能力が大きく向上することを確認しました。
 装置は、個々人の能力に応じて負荷を調整できるよう工夫が施されているほか、ゲーム性が高いためトレーニングのモチベーション維持も期待できます。
 研究室では現在、舌の操作がしやすくなるような改良やトレーニングメニューの充実を図り、実用化へ向けた研究が進められています。

221128-2_2.jpg

実際のトレーニングの様子。
PC画面の縦ブロックを、舌の操作で一段ずつ落としていく。
慣れてきたら、より負荷をかけることもできる。