東北学院大学

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教養学部人間科学科の櫻井研三教授が「第14回錯視・錯聴コンテスト」でグランプリを受賞しました

2022年12月14日

 12月3日、日本基礎心理学会が開催した「第14回錯視・錯聴コンテスト」の授賞式が行われ、人間科学科(人間科学部心理行動科学科 2023年4月着任予定)櫻井研三教授の「折れ線グラフ錯視」と題した作品がグランプリを受賞しました。
 このコンテストは2009年から毎年開催されており、錯視・錯聴をテーマとした作品の中から「学術面」と「表現面」の2つの合計得点が高い順に入賞者を決めます。「学術面」は錯視・錯聴や知覚効果の学問的意義を評価され、「表現面」は錯視・錯聴や知覚効果をわかりやすく、美しく、楽しく表現されているかが評価されます。
 

 

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   審査委員長の北岡明佳先生(立命館大学)と櫻井教授(右)

【作品タイトル】
 折れ線グラフ錯視

【作品動画と観察上の注意】
 この錯視は大きく表示すると効果が弱まるようです。全画面表示なら13インチ程度の画面か、動画再生のウィンドウを小さくしてご覧ください。
 作品動画はこちらからご覧ください。

【解説】
 2022年9月13日の朝日新聞に掲載された内閣支持率調査記事のグラフが縦軸の目盛より下にズレているように見えたのがきっかけです。同じグラフを再現して調べてみると、支持率と不支持率が逆転して、折れ線グラフが最後に交差していることが要因のようです。交差する折れ線全体を上下反転させると、錯視の方向が反転して目盛より上にズレて見えるようです。グラフを作成する機会が多い人にはよく知られている現象なのかもしれません。目盛のある縦軸から遠い場所で折れ線が交差するグラフの読み取りには注意しないといけないようです。グラフはデータの視覚化の手段としてよく用いられますが、特定の条件下ではデータそのものを正しく見ることが難しい場合があることを、この錯視は示していると思います。

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目盛のある縦軸から遠い場所で折れ線が交差するグラフ
内閣支持率の41%が縦軸の目盛40より下に見える

 

【関連リンク先】第14回錯視・錯聴コンテスト 2022(錯視・錯聴コンテストホームページ)