東北学院大学

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「佐藤厚志氏 芥川賞受賞を讃える会」が開催されました

2023年05月12日

 東北学院同窓会との共同主催による「佐藤厚志氏 芥川賞受賞を讃える会」が、4月15日本学五橋キャンパス押川記念館2階の押川記念ホールで開催されました。
 讃える会は、パイプオルガンの演奏が重厚に響き渡る中、ステージに佐藤厚志さんが登壇して厳かにはじまりました。
 はじめに、実行委員長の紺野祐文学部長より佐藤厚志さんのプロフィールが紹介され、本学文学部英文学科を卒業し、書店に勤務しながら小説を書き続け、新潮新人賞や仙台短編文学賞などの受賞で実力をつけて、2023年に『荒地の家族』で第168回芥川賞を受賞されたことが紹介されました。
 続いて、大西晴樹学長がお祝いの挨拶を述べ、「タラントンの盾」と万年筆の記念品、花束を佐藤氏に贈呈しました。さらに、東北学院同窓会の森山博会長が同窓生を代表して祝辞を述べ、表彰状と副賞、記念品を贈呈しました。
 佐藤厚志さんがお礼のスピーチで、「シェフが料理をつくり、大工が家を建てるように、小説家が小説を書くのは自然なことです」と話し、若い後輩たちには「現代はすぐに結果を求められるが、試行錯誤するのは10年・20年は当たり前、のびのびと試してほしい。私は日常を大切にしながら、著作を進めていきたいです。」と語りました。
 その後休憩をはさんで、「『荒地の家族』をめぐって」と題した記念トークイベントがスタートし、佐藤厚志さんと恩師である植松靖夫教授(文学部英文学科)が登壇、コーディネーターは仙台短編文学賞実行委員会代表の土方正志さんが務めました。
 その中で佐藤厚志さんは、「自分は小説家になるに決まっている、と思っていた。在学中に小説を書けていないのに小説家になれると思っていた。実際に書けるようになったのは25歳ぐらいから」と話され、「3作目でこれがコケたらおしまい。書き続けるためには新人賞を取ることは切実な問題であり、プレッシャーでした。」と率直な心情も披露しました。素敵なエピソードを交えた話には、参加した聴衆が熱心に耳を傾け、またたく間に閉会の時を迎え、後奏のパイプオルガンの調べを聴きながら、約570人の来場者は会場を後にしました。
 

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