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【東北産業経済研究所 2018年度公開シンポジウム】「幻の野蒜港」と東北開発(12/15開催)

2018年11月06日

「幻の野蒜港」と東北開発

東北産業経済研究所 2018年度公開シンポジウム

申込不要   無 料   土 樋


日時:平成30年12月15日(土)13:00~16:00
会場:土樋キャンパス 押川記念ホール

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 今から約140年前の明治10年代、宮城県桃生郡野蒜村(現東松島市野蒜)において、日本で初めての本格的な近代港湾の建設が行われた。いわゆる野蒜築港である。この野蒜港の建設は、当時の政府の殖産興業政策の要に位置する一大プロジェクトであり、蒸気船を中心とした物流体系を整備することで「東北」の物資を大量かつ迅速に「中央」や海外に運搬することを意図したものであった。
 しかしながら、1884(明治17)年9月半ばに襲来した台風により、野蒜港は大きな打撃を受け、大幅な修復工事を行うことを余儀無くされた。にもかかわらず、政府は、修復工事を行わず、この港湾建設計画自体を断念した。つまり、「幻の野蒜港」となってしまったのである。
 この野蒜築港事業の遺構は2011年3月に発生した東日本大震災でほとんど流出してしまった。とはいえ、北上運河・東名運河など現在もなお当時の様子を伝えるものが存在していることも事実である。また、依然として「この事業が成功していたら、東北開発の歴史は変わっていた」という声も聞かれる。それゆえ、東日本大震災から7年が経過した今日、あらためて「東北」の歴史を考える必要があるだろう。
 今回のシンポジウムでは、野蒜築港事業の顛末はもちろん、そこに込められた当時の政府のねらいや、同事業に対する地元宮城県の対応についても検討する。そして、野蒜築港事業の挫折の原因などを整理しつつ、「幻」となってしまった野蒜築港事業が、今日までの東北開発の歴史の中でどのような教訓を伝えようとしているのかを、皆さんとともに考えてみたい。


 講師  /  Lecturer                              
◆「幻の野蒜港」について 
本学経済学部教授  仁昌寺 正一(にしょうじ しょういち)

◆「近代における北上・東名運河の水運機能について」
本学経営学部教授  齋藤 善之(さいとう よしゆき)

◆「松方デフレ」と野蒜築港事業
本学大学院経済学研究科博士後期課程  雲然 祥子(くもしかり さちこ)


対  象:どなたでも受講できます。
申込方法:直接会場にお越しください。
受 講 料 :無料
主  催:東北学院大学 東北産業経済研究所
問合せ先:東北学院大学研究機関事務課
     TEL 022-264-6362 FAX 022-264-6530
     E-Mail shafuku@mail.tohoku-gakuin.ac.jp