東北学院大学

公開講座

帝国、共和国、独裁国家:2つの世界大戦と複数の「オーストリア」
ヨーロッパ文化総合研究所 公開講演会(後期)

  • 申込必要
  • 土樋キャンパス
  • 入場無料
  • 定員100人
  • 日時:2022年12月17日(土) 14:30~17:00(受付開始:14:00)
  • 会場:土樋キャンパス ホーイ記念館ホールおよびZoom併用
講座概要

オーストリア=ハンガリー帝国は、第一次世界大戦の敗戦とともに瓦解し、大戦後は「誰も望まない国」オーストリア共和国として独立を強いられた。もっとも、旧帝国の解体は戦勝国の当初からの目標ではなかった。事実、オーストリア国内における国制の維持を目指す動きはあまり知られていない。また、新生オーストリア国家は国内でどのように受け入れられたのだろうか。それは、ファシズム体制の成立とドイツによる合邦を経ていかに変わったのだろうか。本講演は、以上の問題意識を念頭におきつつ、2つの世界大戦にまたがるオーストリア国家の変容に光をあててみたい。

講師
第1次世界大戦末期のハプスブルク帝国:解体と存続の狭間で

馬場 優 (福岡女子大学文理学部教授)

1967年宮崎県生まれ。愛媛大学法文学部法学科卒業。1997-1999年オーストリア政府給費奨学生としてウィーン大学東欧史・南東欧史研究所留学。2001年大阪市立大学大学院法学研究科後期博士課程単位修得退学。2003年に博士(法学)取得。現在は福岡女子大学国際文理学部教授。専門はハプスブルク帝国外交史、オーストリア現代政治。

多民族国家であるハプスブルク帝国は、第1次世界大戦の末期に帝国内の諸民族が分離・独立を主張したことで消滅した。しかしながら、その過程は、複雑なものであった。本講座では、解体を推進した民族集団の動向よりも、解体を阻止しようとした勢力(存続派)の動向に焦点を当てる。その際、ハプスブルク帝国の解体・存続をめぐる国際政治の動向にも注意を払うことで、帝国解体をめぐる問題の多次元的な側面を浮かび上がらせたい。

文書館からみるオーストリア現代史のひとこま:ルートヴィヒ・ビトナーの軌跡から

村上 亮 (福山大学人間文化学部准教授)

1981年兵庫県生まれ。関西学院大学文学部史学科卒業。2008-2010年、オーストリア政府給費奨学生としてウィーン大学東欧史研究所留学。2011年関西学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学。2012年博士(歴史学)取得。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、現在は福山大学人間文化学部准教授。専門は近代ハプスブルク帝国史。

本報告は、第一次大戦後のオーストリア国家のあゆみをルートヴィヒ・ビトナーの事績からたどるものである。彼はアーキヴィストとして文書館の整備に尽力するとともに、外交文書集の編纂などの成果を残した。またオーストリアの開戦責任に反駁する論考も執筆した。その一方で、彼はナチズムに深く傾倒するとともに、合邦後には文書館の再編を企図した。一連の検討を通じて、オーストリアの政治と学問の関係に光をあててみたい。

  • ■募集人数/100人
  • ■対象  /どなたでも受講できます
  • ■受講料 /無料 
  • ■申込  /必要
  • ■申込方法/こちらの申込フォームまたはお電話にてお申し込みください。なお、定員に達した時点で申込を終了させていただきます。
  • ■申込み先/
        ヨーロッパ文化総合研究所
        TEL 022-264-6379
        E-mail:europe@mail.tohoku-gakuin.ac.jp
  • ■主催  /東北学院大学ヨーロッパ文化総合研究所
  • ■問合せ先/
        ヨーロッパ文化総合研究所
        TEL 022-264-6379 FAX 022-264-6379 
        E-mail:europe@mail.tohoku-gakuin.ac.jp
  • ■その他 /
    ※状況によってはオンラインのみの開催となる場合がございますので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
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