TG Grand Vision 150
(東北学院大学中期計画)
東北学院大学2026年度重点項目
2026年度の東北学院大学を表す聖句は、エフェソ信徒への手紙5章15~16節(日本聖書協会共同訳)とし、特別重点項目及び重点項目を以下に示します。
「そこで知恵のない者でなく、知恵のある者として、どのように歩んでいるか、よく注意しなさい。時をよく用いなさい。今は悪い時代だからです」
新約聖書の一書であるエフェソ信徒への手紙は、伝承によれば、ローマで獄中にあったパウロが小アジアのエフェソ(エフェソス)のキリスト者共同体にあてて書いたものといわれています。共同訳が分かりにくいので、新訳聖書翻訳委員会訳(岩波書店)に従えば、以下のように訳されています。
「あなたがたは自分たちがどのように歩んでいるのか、知恵なき者のようにではなく知恵者のように[歩んでいるか]、この点を正確に見きわめなさい。この時をあますところがなく活用しなさい。[今の]日々は悪しきものだから」
聖書の黙示文学的表現を用いなくとも、今の時代が悪しきものであると皆さんは感じておられることでしょう。地球温暖化、洪水、地震、風雪などの自然災害、コロナ禍のような感染症、ウクライナ戦争、パレスティナ戦争、そして昨今のイラン戦争、身近なところに目を転じれば、物価の高騰、少子化による地方私立大学の募集停止などです。
さて、われわれは、都心型五橋キャンパスの開学、4学部5学科の新設を成し遂げ、18歳人口の急減期の到来に備えて、2026年度に未来探究科学部デジタル構想学科と教育学部教育学科の設置を予定しています。2025年度のリクルート進学総研の高校生アンケートによれば、東北地区における進学したい大学のトップに立つことができました。これも本学教職員の日頃の努力の賜物であり、深く感謝申し上げます。しかし、驕れることなかれ、聖書では、来るべき時に備えて、この時をあますところなく活用し、知恵者のように歩んでいるか正確に見きわめなさい、と述べています。すなわち、計画・実行および点検・評価を怠ってはならないと示しているのです。
計画・実行、点検・評価はなにも新設学部だけのことではありません。継続的な改善が求められる既存学部・既存学科についてこそ必要です。現在、文部科学省中央教育審議会大学分科会「教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループ」では、2030年度からの大学認証評価制度の大幅な変更が議論され、結論がくだされようとしています。それによれば、認証評価機関別ではなく、新たな評価のデータプラットフォームが構築され、評価は、従来のような大学ごとの適合、不適合の2択だけではなく、大学全体(機関別評価)の評価の中に、学部ごと(分野別評価)に4段階もしくは3段階の評価が施され、公表されることになるという議論がなされているのです。その際、評価の基準は、教育の成果を定性的に見るのではなく、定量的に計測することに重点が置かれ、全国の大学の同系統の学部、学科が横並びに評価されるようになり、評価次第で、私学助成金の多寡も決まるというものです。つまり、IR(Institutional Research)による根拠に基づいた継続的な改善のための意思決定支援が重要となってくるのです。学部、学科の横並びということでいえば、大学入試の偏差値が一般に想起されますが、文部科学省の意図は、入試の偏差値信仰を捨て去り、入学後の各大学・各学部の教育研究の効果を測定し、その評価で教育研究の内実を較べたいことを意図しています。
分野別になされるそのような大規模で緻密な「新たな評価」が果たして可能なのかという課題に対応をしなければなりませんが、われわれは「来るべき時に備えて、この時をあますところがなく活用し、知恵者のように歩んでいるか正確に見きわめなさい」と聖書が述べているように、18歳人口の急減期の前段階である「この時」をあますことなく活用して各学部、各学科の計画・実行、点検・評価体制を強化していくこととなります。
以下に、学校法人東北学院「TG Grand Vision 150」第Ⅲ期中期計画(2026~2030年度、以下「TGGV150」)に基づき、2026年度の特別重点項目および重点項目を設定します。TGGV150は、創立150年を迎える2036年度に向けたグランドデザインであり、5年ごとのKGI(重要目標達成指標)に対して、毎年度のKPI(重要業績評価指標)を定め、進捗と成果を評価・改善しながら本学の発展を図るものです。第Ⅲ期中期計画は「東北学院の建学の精神に基づく教育」およびスクールモットー「LIFE LIGHT LOVE」の理念を前提とし、本学の将来像を「地域との共創でひらく、未来の扉」として掲げ、その実現を目指すため、都市型キャンパスの特性を活かし、地域と共創しながら、ゆたかな教養と深い専門性を備えた人材を育成する総合大学を目指すものです。
2026年度は、第Ⅲ期中期計画の初年度であり、東北・北海道地区を中心として社会から選ばれる「比類なき学校」の実現に向けて、各部署においてKPIの設定と実行に向けて主体的に主体的に取り組むことが求められます。なお、TGGV150においてこれらの施策の実施主体部署となっていない部署については、担当部署と連携し全学で協力し、事業の推進にあたってください。
特別重点施策
柱1:学びと成長を促す環境づくり
- A302 インクルージョン社会に通ずる教育プログラムの整備(社会人・留学生向け)
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大学院においては、これまで経済学研究科において、デジタルと掛けるダブルメジャー大学院教育構築事業により設置された経済学研究科経済データサイエンス専攻は完成年度となる。また、経営学研究科においては、コース制や履修証明プログラムを2026年度よりスタートした。その成果だけでなく、A303「次世代を見据えた大学院改革の推進」と併せ、2023年度設置の4学部5学科を基礎とする大学院の設置に向けた取り組みを実行する。これに併せて既存の大学院の収容定員の適正化も図ることとし、学長諮問に対する答申を踏まえて実行に移す。
その一環として、公認心理師養成の体制整備のため、2026年6月の東北学院大学心理相談室の開設準備を進めている。また、2027年3月には東北学院国際交流寮荒町(仮称)の設置に向けた計画も進めていく。
さらに国際学部では、五橋キャンパスにおいて第8回アジア未来会議を渥美国際交流財団と共催する予定でもある。
これらの取り組みにより、地域と共創する大学としての機能をさらに強化していく。
- A305 学生の学修意欲と能力伸長を促進する教育方法・内容の開発・実装
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文部科学省中央教育審議会大学分科会においては、「教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループ」において検討が進められているが、学位授与の方針に基づく学修成果の把握・可視化を含め卒業する学生の質保証がこれまで以上に重視する議論がなされている。そのため、「建学の精神」「教育の理念・目的」「教学上の三つの方針」に沿った教育を実現すること、また、各学部において教養教育と専門教育を有機的に接続し、教育課程編成・実施の方針やアセスメントプランを確認しながら、継続的な改善を図らなければならない。そのためには、教学マネジメントの基盤として、これまで以上にIR(Institutional Research)機能を強化し、情報の収集・分析に基づいた継続的な改善活動を進めていくことが重要である。
また、情報処理センターを、新たにIT教育センター(仮称)として発展的に改編し、デジタルを活用した数理・AI・データサイエンス教育の推進にも力を入れていくこととなる。
柱2:地域に根差した特色の強化
- A307 地域課題解決型PBL教育の推進
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現在、設置構想中の未来探究科学部デジタル構想学科(仮称・事前相談済)においては、東北地方は日本の課題の先進地域として、課題をとらえデジタルの技術を活用して課題解決を行っていく人材を育成するPBLによる学位プログラムを設定している。また、教育学部教育学科(仮称)においても、「ひとを育み、未来を変える」をキャッチフレーズとして、文学部教育学科を改組し届出申請による設置を目指している。
- A311 アントレプレナーシップ教育プログラムの推進
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2026年度6月の発足を目指して、アントレプレナーシップ教育共創センター(仮称)を設置予定としている。これにより、本学においてアントレプレナーシップ教育の拠点として、自ら社会課題を見つけ、課題解決に向かってチャレンジしたり、他者との協働により解決策を探究したりすることができる知識・能力・態度を身に付ける教育を強化する。
これにより本学は、地域連携センター、国際交流センター、IT教育センター、アントレプレナーシップ共創教育センターの4教育センターを柱とする体制を構築する。
柱3:All東北学院の推進
- A314 中高大一貫教育の成果検証を通じた教育の質的深化
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2023年度のキャンパス移転以降、TG併設校推薦の入学希望者も増加傾向にある。TGGV第Ⅱ期中期計画からの継続ではあるが、TG併設校推薦入学者の成績は年々向上しており、中高大連携一貫教育事業の成果も効果が出始めている。2026年度以降は、中高大連携をさらに深化させ、両併設校における総合的な探究の時間、数理・AI・データサイエンス教育等さまざまな形で連携を推進していく。
これにより、TG併設校推薦コースの生徒のみならず早期に大学での学びに触れることで、学校法人東北学院としての新たな価値を創出し、本院でしかできない併設校との関係を新たに構築していく。
- A316 世代を超えた同窓生の交流強化
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2026年度は、東北学院創立140周年を迎える。その記念事業として、1)デジタル・アーカイブの公開、2)学生からのマスコットキャラクターの募集、3)学生・生徒による課題解決型のコンテストが企画されている。これらにより、在学中の学生と卒業生とのつながりを持つ機会を増やし、学生が社会と関わる機会を新たに創出することで、東北学院の持つネットワークを活用できるようにしていく。
柱4:学校法人としての基盤強化
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- A314 受験生のエンゲージメント向上による志願者基盤の拡大
- A319 入試戦略の高度化と推進
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2027年度入試から新学部の開設と、入学定員の変更が予定されている。受験生にとって出願の機会を増やすだけではなく、東北学院大学の教育を理解した上で入学を希望する生徒を獲得することは、人口減少期において重要な戦略となる。そのため、atama+を活用した入試など新たな制度を導入することとなる。
また、工学部では、カリキュラム改編により、コース制をわかりやすく打ち出し、東北学院大学を選択する志願者層を広げ、新たな受験者層の獲得に向けた取り組みを進めていく。教学組織については、継続的改善のため成果を検証し、東北学院大学の強みを活かした大学となるように時代に変化に即した不断の努力を続けていくこととなる。