東北学院大学

取り組み・活動

東北学院大学の基本方針

『東北学院大学の基本方針2024』の策定にあたって

学長 大西 晴樹

教育と研究を担う高等教育機関である大学において、「学修者本位」という言葉が用いられるようになってきた。学修者本位の「学修」という言葉も、従来の「学習」という言葉にとって代わろうとしている。これは、「学習」という言葉が、「教わる、習う」という受動的な勉学態度を意味するのに対して、高等教育機関である大学においては、教育や研究が事前の準備や事後の報告・発表を通じて成果を産み出し、それらを学修者が「修める」という、より主体的な勉学態度が求められているからに他ならない。

本書『東北学院大学の基本方針2024』は、「福音主義キリスト教による人格教育」という本学の建学の精神から始まって、LIFE LIGHT LOVEというスクールモットー、そして教育の基本方針が示され、それらを土台として構築された「教学上の3つの方針」、すなわち、「学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」、そして「入学者受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)」が列挙されている。

学修者である学生は、「学位授与の方針」であるディプロマ・ポリシーを達成するために学修に励み、それがどれほど成果を修めているのかを計測するのが「評価の方針」、すなわちアセスメント・ポリシーである。大学は、不断に学生の成長を見定めていくために、このアセスメント・ポリシーにより、教育・研究の成果を計測、可視化して、教育・研究の「質」保証を明らかに示し、課題となっている点を改善していかなければならない。

その他、本書には、東北学院大学において展開されている教育・研究全体に関わる基本方針が列挙されている。学生支援、国際交流、教員の倫理、研究、社会連携・貢献、教育研究実施組織である各学部、大学院各研究科、そして中長期計画である「TG Grand Vision 150」である。

現在、日本の大学は学修成果の可視化にむけて、それぞれ工夫を重ねている。東北学院大学において、可視化の土台になるものが本書に記されている。東北学院大学の構成員である教職員・学生が、ひとたび疑問をいだいたときに立ち帰るべき「羅針盤」として、本書を手元において活用してもらえたら、幸いである。