東北学院大学

法学部 法律学科

学科長あいさつ

法律学科長 佐々木 くみ

私たちは、ふだん空気の大切さを意識していません。空気の価値は、それが失われてしまうというときになって初めて気付くものではないでしょうか。みなさんにとって、「法」という存在も、そんな「空気」と同じかもしれません。

昔から「社会あるところ法あり(Ubi societās, ibi jūs)」という格言が語り継がれてきました。私たちの生活は、実は「法」であふれています。でも、多くの人はそれを意識せずに生活しています。たとえば、貸したものが返ってこない、SNSでトラブルになった、事故でケガをさせてしまった…そんな困ったことが起きて初めて、「法律ってどうなっているんだろう?」と考えるのではないでしょうか。

本来、法はトラブルが起きる前にそれを防ぎ、みんなが安心して暮らせるようにするための道具です。私たちは一人で生きているわけではありません。社会にはいろいろな考えや価値観をもった人がいますから、意見がぶつかったり、争いが起きたりするのは当然です。その調整役を法は担っているのです。知らず知らずのうちに、あるいは意識的に、私たちは法に沿って行動しています。例えば、道路交通法が定めるように、自転車で車道の左端を走ることによって、事故を減らすことにつながっています。

さらに、今の日本では、私たち自身が法の制定に参加することもできます。決められた法に従うだけでなく、「どんな社会にしたいか」を考え、社会のあるべき法をみんなで話し合って決めることができるのです。

一方で、法が失われた状態はまったく別の世界です。力の強い人が暴力や恐怖で支配するような状況では、法は無力です。そんな状態になってから法の大切さに気づいても、もう遅いのです。

だからこそ、法が支えている社会で生きる私たちには、法について学ぶ力が必要です。弁護士・裁判官・検察官といった法曹、国家・地方公務員、警察官、裁判所事務官、企業法務など、法を使う仕事を目指す人はもちろん、そうでない人にとっても、法を理解することはとても重要なのです。法律学科では、それが可能です。みなさんと一緒に学べる日を楽しみにしています。