東北学院大学

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教養学部地域構想学科 平吹喜彦教授らの海岸エコトーン研究・保全活動が、公益財団法人日本自然保護協会より『沼田眞賞』を受賞

2013年05月02日

  東北学院大学では、平成23年度から私立大学戦略的研究基盤形成支援事業『地域災害脆弱性の克服と持続基盤形成を促す大学・地域協働拠点の構築』(文部科学省助成、S1103002)を進めてきました。また、平成24年度には「震災に関わる学長研究助成金」を新設し、学部の枠を越えて実施される「地域社会の復興に寄与しうる研究」を支援しています。
  これらの助成を受けたふたつのプロジェクトにおいて、世話人として、「南蒲生/砂浜海岸エコトーンモニタリングの推進とプラットフォーム化」、「ふるさとの生態系復興を基軸とした持続可能な地域創出モデルの構築」を進めてきた教養学部地域構想学科の平吹喜彦教授が、この度、公益財団法人日本自然保護協会から『沼田眞賞』を受賞しました。授賞式は2月3日に終えています。
 研究チームの構成は多彩で、平吹教授のほか、本学では教養学部地域構想学科の松本秀明教授や宮城豊彦教授、工学部環境建設工学科の宮内啓介教授や中村寛治教授、本学工学部の郷右近勝夫・元准教授がメンバーです。また、海辺の多様な生物・環境要素を並行してモニタリングすべく、東京情報大学環境情報学科の原慶太郎教授や富田瑞樹准教授、東北大学大学院生命科学研究科の鈴木孝男助教、日本大学地球システム科学科の大八木英夫助教、そして在仙の研究者・専門家、各地の環境保全団体の皆さんの参画も得て、これまで類のない協働体が形成されています。

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  研究チームは、①仙台湾岸に広がる砂浜海岸エコトーン(浅海・汀線から沖積平野に至る、幅1.5km前後の領域)における被災・再生状況の調査、②仙台市南蒲生地区に設置した砂浜海岸エコトーンモニタリングサイトにおける生態系モニタリング、③『フォーラム 仙台湾/海岸エコトーンの復興を考える』の開催、④諸学会・講演会における活動成果の報告や生態系復興に向けた提案、⑤地域自治体が策定した復興計画や実施中の復旧・復興事業に対する要望、などを行ってきました。

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 去る2月3日、東京の清澄庭園において、公益財団法人日本自然保護協会主催の特別セミナー『東北沿岸の自然は今』と、第12回『沼田眞賞』の授賞式・記念講演会が開催されました。
  午前に行われた特別セミナーは、東日本大震災後の復興事業を地域の暮らしや自然環境の視点から考えるという内容で、開始早々に席が埋まるほどの盛況でした。午後の『沼田眞賞』授賞式では、平吹教授の他、3個人1団体に賞が授与され、記念講演が行われました。
 平吹教授は、「復旧・復興がスピード感を持って実行されなければならないのは、当然のこと。その一方で、被災した自然生態系が自ら再生している実態に、もっと目を凝らさなければなりません。海岸エコトーンを俯瞰する視点に立って、脆弱性や特殊性を統合的に評価し、多様な生きものやハビタットの存続・再生を尊重する行為なしに、ふるさとの真の復興は成し得ない」と語っています。

○南蒲生/砂浜海岸エコトーンモニタリングネットワーク
https://sites.google.com/site/ecotonesendai/

○日本自然保護協会
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/numatasyo/

○沼田眞賞
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/numatasyo/2013/03/post-3.html

○受賞者・団体紹介
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/numatasyo/2012/10/125.html

【過去記事】
○第1回「フォーラム 仙台湾/海岸エコトーンの復興を考える」開催の知らせ
https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/info/top/110531-1.html

○「大災害をどのように克服していくか 世界の先進的な事例報告とこれからの地域の取り組みを考える PartⅠ」開催報告【動画】
https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/info/top/120214-3.html

○「大災害をどのように克服していくか 世界の先進的な事例報告とこれからの地域の取り組みを考える PartⅡ」開催【動画】
https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/info/top/120214-4.html

○第3回 フォーラム「仙台湾/海岸エコトーンの復興を考える」開催報告
https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/volunteer/?p=7591