情報科学科の高橋秀幸准教授が福島県いわき市薄磯地区でドローンを活用した避難訓練を実施しました
2022年12月06日
11月26日、福島県いわき市の薄磯地区で、情報科学科の高橋秀幸准教授がドローンを活用した避難訓練を実施しました。「第2回いわき市総合防災訓練【地震・津波編】」に合わせて行われたもので、高橋准教授の他に薄磯まちづくり検討委員会、いわき市消防団、(株)空むすび、岩手県立大学の杉安和也講師が参加しました。
当日は、大きな地震により市内沿岸部に津波警報が出されたことを想定し、緊急速報メールや沿岸部の防災行政無線を使用したサイレン吹鳴などがあり、いわき市全体で約1500人が参加した大規模な訓練となりました。
高橋准教授らは自動飛行するドローン2台を事前に設定されたルートに従って飛行させ、それぞれ異なるエリアで音声アナウンスによる避難指示を出しながら避難誘導を行いました。音声アナウンスには、福島中央テレビの小野紗由利アナウンサーにご協力いただきました。海岸線沿いで逃げ遅れている人がいないかの見回りや被害状況の確認は、消防団がドローンを手動で操縦し行われました。ドローンカメラの映像は避難場所に設置したモニターで確認できる仕組みになっています。
この他に、スマートフォンでQRコードを読み取り登録する「安否確認システム」のデモンストレーションが行われたほか、避難所に設置するダンボールベッドの組み立てや炊き出しもあり、地元住民の方々と災害時を想定したより実践的な訓練となりました。
有事の際にはこれまで、海岸線沿いなど津波の恐れがある場所へ消防車で出向き避難指示を出してきましたが、自動飛行のドローンに任せることで消防団が津波などに遭う危険が回避され、安全に避難指示を出すことができます。また、使われたドローンは比較的安価なもので、今回の訓練によって小さな自治体でも今後、ドローンを活用した避難誘導などの可能性が広がったという点も大きな意味を持ちます。
今後はドローンの音声アナウンスが、防災行政無線のサイレンや波の音だったり風の影響を受けることなく聞き取れるか検証が行われます。また、緊急速報に応じてドローンが自動で離陸し避難指示を行う「自動運用管理技術の構築」も課題に挙げられています。