東北学院大学

経営学部学部案内

学部長あいさつ

経営学部で学ぶ皆さんへ―パーパスとともに学ぶ

経営学部長 村山 貴俊

学生の皆さんは、経営学部が提供するリキュラムに則して、経営学への学びを計画的かつ体系的に進めていくことになります。ちなみに、辞書『デジタル大辞泉』(小学館)によれば、カリキュラム(curriculum)=教育課程は「教育内容を学習段階に応じて配列したもの」と説明されます。高等学校でも教育課程や時間割などはあったと思います。高校までと大きく異なるのは、大学においては、一部の必修科目などを除いて、教育課程に含まれる多くの科目群の中から自らで科目を選択して学びを進めなければならないことです。

では、どのようにして経営学に関する多様な科目の中から科目を主体的に選び、学びを深めていけば良いのでしょうか。そこで重要になるのが、パーパス(purpose)(目的あるいは目標)です。経営学におけるキャリア形成の1つとして、「パーパスとともに生きる」という考え方があります。Being=今ある自分を理解したうえで、To be=将来のあるべき自分を目的や目標として定めて、その目的に到達するために必要なことを明らかにするというものです。ハーバード・ビジネス・レビュー編集部(編)『働くことのパーパス』(Purpose, Meaning+Passion)(ダイヤモンド社、2021年)という著書には、目的=パーパスを掲げることで、現在の自分と未来の自分とをつなぐ光の道が見えてくるとも記されています。

いま注目を集めている大谷翔平選手が、高校時代に「ドラ1、8球団(プロ野球8球団からドラフト1位の指名を受ける)」という目標を掲げ、その目標を達成するための計画や行動を詳細に書きとめたマンダラチャートを用いていたということはよく知られています。高校時代から大谷選手がパーパスを強く意識し、自らのキャリアを切り拓いてきたことを意味しています(「大谷翔平も使ったマンダラチャート。仕事にも活きる9マスの思考法の秘密とは」『マイナビニュース』2023年12月18日掲載を参照)。

学生の皆さんも、卒業時にあるべき(なりたい)自分の姿をパーパスとして掲げてください。合わせて、今ある(いる)自分というものを理解する努力もしてください。上掲の著書によれば、厳しい状況に追い込まれたときに何を重視して決定・行動したかを振り返ることで、今の自分の強みと弱み、そして能力や価値を知ることができるといいます。過去を振り返り、厳しい状況下で自分がどのように考え、行動してきたかを思い起こしてください。そのうえで、家族、友人、教員と対話しながら、将来の自分についてよく考えてください。いうまでもなく、大学は、皆さんが掲げた目的を実現するために必要な知識と能力を修得する学究の場です。科目の履修においては、自らの目的を達成するために必要な科目を、合理的、体系的、段階的そして主体的に選択してください。「パーパスとともに学ぶ」ことで、各講義の中で学ぶことの意義や意味(meaning)を自らで感じとり、学びへの意欲や情熱(passion)を持ち続けられるようになるはずです。 

東北学院大学経営学部も、経営学の理論と実践への学びを通じて企業や地域社会が抱える課題を解決できる人材を育てる、という教育目標(教育のパーパス)を掲げています。経営学の理論を深く学ぶことで、地域や企業が抱える課題を発見し、それらの課題を創造的に解決していける人になれるよう、経営学部の教職員が、皆さんの学びをサポートしていきます。