東北学院大学

工学部 機械知能工学科

学科長あいさつ

現実のモノも仮想のモノも作る・造る・創る

機械知能工学科長
機械知能工学科長
魚橋 慶子

機械知能工学科は、機械工学科、機械創成工学科を前身とする学科です。2010年3月に機械知能工学科第1期生が卒業して以来、モノづくりとしてのハードウェア製作、ならびに機械を賢く(スマートに)動かすためのソフト面に通じた人材を輩出しています。

モノづくりの基礎を工業高校で学んだ学生や、機械設計の基礎となる数学・物理の得意な学生が、新入生には混在します。低学年次は、工業高校出身者・進学校出身者の双方へ対応する数学・物理の他、「メカノデザイン工作演習」「プログラミング」「機械設計製図」を学びます。学年が進めば「四力(よんりき)」と呼ばれる分野(「材料力学」「熱力学」「流体力学」「機械力学」)を重点的に学習します。

賢くモノを動かすための基礎科目として「メカトロニクス」「ロボット工学」「制御工学」などが有ります。ヒトの体、骨・筋肉・血管などの力学的特性を調べ、福祉に役立つモノを設計するため「人と機械工学」「生体機械工学」「ユニバーサルデザイン」「ヒューマンマシンインターフェイス」も学びます。

学びの指針として、4つの学習プランを設けています。IoT社会の新材料を開発・設計する「スマートデザインプラン」、次世代のエネルギー源・自動車に関する「グリーンエナジーシステムプラン」、生命と機械を繋ぐ「バイオロボティクスプラン」、各分野を総合する「メカノエンジニアリングプラン」です。卒業研究では個々のアイデアを生かしつつ、仲間とディスカッションしながら研究・製作に取り組みます。英文講読を必須とし、国内外の動向を踏まえた卒業研究を展開します。

以上の学びにより培った機械設計・運用能力により、本学科は堅調な求人倍率を保っています。機械はあらゆる場面で使われますから、製造業以外にも電気設備・通信業、制御機器・システム開発業、建設施工会社、官公庁へも就職先があります。

モノの動きをシミュレーションする技術は、旧来より機械知能工学科で研究されています。一見無関係ですが、同様の動きをする経済システム・感染症伝搬ネットワークなどの研究へも、機械系のシミュレーション技術が生かされます。さらに近年では、VR(仮想現実)空間上のモノづくりが要請されています。自然な動きや感触を持つVR空間上のモノづくりへ、現実空間の機械設計で培われた技術を応用しています。

機械知能工学科創設から10年余、知的なモノづくりを広げるための基礎・応用について、学生の皆さんと学科スタッフは今後も共に考えます。