岡田 勇督 准教授 思想・哲学というこの上なく〈実践的な〉学びへようこそ 近現代の哲学・神学を幅広く研究しています。思想・哲学は、たしかにその内容が現実生活から乖離していて、一見何の役にも立たないように見えます。しかし、そこで育まれる批判的思考力は他のどんな学問にも勝ります。危機の時代だからこそ、小手先ではなく知性の根幹を鍛えていきましょう。 主要研究分野:近現代の西洋哲学・神学、京都学派の哲学 担当科目:近代ヨーロッパの思想と哲学、現代の思想と哲学 他 研究テーマ 近代・現代における哲学と神学を幅広く研究しています。 研究トピック 解釈学について 私たちの生活のなかではいたるところで〈解釈〉が要求されます。高校時代に現代文の問題を解いていたとき、大学のレポート課題で必要なテクストを読んでいるとき、そして聖書を開いて謎めいた箇所に直面したとき、などなど。たんにテクストの字面を追うのではなく、それが一体何を意味しているのかを一歩踏み込んで考える営みが〈解釈〉です。解釈学はこの〈解釈〉を対象とする哲学の一分野で、解釈とはいったい何なのか、解釈をするときにはいったい何が生じているのかを考えます。 私はとくに、20世紀の哲学者で解釈学を哲学の重要な一分野に昇華させたH.G.ガダマー(1900-2002)の思想を研究しながら、解釈学について探求しています。 F.D.E. シュライアマハーの思想について F.D.E. シュライアマハー(1768-1834)はドイツの神学者で、近代の神学やキリスト教の考え方の土台を作った人物とされています。〈近代〉は私たちの生活にとっても、神学やキリスト教にとっても、とても大きな意味をもっています。近代のなかで生まれた自然科学や歴史学の知識は、伝統的なキリスト教信仰の在り方に対して大きな問いを突き付けました。シュライアマハーや他の近代の神学者たちはこの挑戦から逃げることなく、近代的な世界観においてキリスト教信仰はどのように可能なのかを真正面から問おうとしました。シュライアマハーを手掛かりとしつつ、キリスト教にとって〈近代〉とはいったい何なのかを探求します。 京都学派の哲学について 〈京都学派〉は19世紀後半から20世紀中頃にかけて、京都大学の西田幾多郎や田辺元などの哲学者を中心として形成された知識人たちのネットワークです。その特徴としては、彼ら自身の信仰であった大乗仏教を、西洋哲学の知的・概念的枠組みによって表現しなおしたことが挙げられます。現在、世界の哲学研究では西洋中心主義を批判して西洋以外の哲学伝統に目をむける動きが盛んにおこなわれており、京都学派はそのなかでもユニークな存在として一躍注目を浴びています。私の研究ではとくに、仏教的な京都学派のなかにあってキリスト教の思想を探求していた〈キリスト教学〉という分野に着目しつつ、京都学派における仏教とキリスト教の関係について探求しています。 最近の著作 岡田勇督「現代日本と解釈学的宗教哲学 」『福音と世界』 11(2024), 2024年, pp.12-17. 岡田勇督「解説:現代ドイツ神学への一視角」『キリスト教学研究室紀要』第12号、2024年、81-87頁. Yusuke Okada “Nishida Kitarō and F.D.E. Schleiermacher: On the Romantic Spinozism in their Early Thoughts” in: European Journal of Japanese Philosophy (8), 2023, pp.71-98. 岡田勇督「解釈学的宗教思想のための試論」『基督教学研究』第41号, 2022年, 127-146頁 Yusuke Okada „Is Gadamer a Realist?“, in trópos: Rivista di ermeneutica e critica filosofica 2(12), 2019, pp.157-171. Yusuke Okada „Ontologische Differenz in der philosophischen Hermeneutik Gadamers“ in Internationales Jahrbuch für Hermeneutik, (18), 2019, S.198-212. 詳細はresearchmapをご覧ください。