思想・哲学分野 木村 純二 教授 日本に生きる私たちが日本思想を学ぶことの大切さ 「恋」や「愛」をテーマに、古代から近代までの日本の思想を総合的に研究しています。日本に生きる私たちが日本の思想を学ぶことは、自己探究へとつながります。自分の行動や思考に過去の歴史が影響を及ぼしていることに気付けば、主体的な探究への意欲がきっと湧いてくるはずです。 主要研究分野:日本倫理思想史 担当科目:日本の思想と哲学、仏教概説、東洋の思想と哲学 他 原田 浩司 教授 偉人の思想、異文化との出会いが自己の成長につながる 学生時代からスコットランド宗教改革を地道に研究し続けています。牧師として働いた経験から、死別や葬儀といったキリスト教における臨床的かつ実践的な課題も研究テーマになりました。キリスト教の世界観に触れながら、人文学の諸課題を多角的な視点から学べるのが本学科の特徴です。 主要研究分野:キリスト教史(宗教改革)、実践神学、死生学 担当科目:実践神学Ⅰ・Ⅱ、キリスト教史(近代)、死生学 他 大門 耕平 准教授 学校教育という枠組みの中でより効果的な指導の実現をめざす 中学校教育における学習習慣や学習意欲について研究しています。生徒に生じる問題を学校教育の中で解決できるような生徒理解・生徒指導を実現することが長期的な展望です。また、ウィリアム・メレル・ヴォーリズという建築家に注目し、日本の西洋建築における建築金物の歴史についても調査しています。 主要研究分野:学校教育、キリスト教教育、道徳教育、教育工学 担当科目:キリスト教教育、宗教科教育法、教育実習 岡田 勇督 准教授 思想・哲学というこの上なく〈実践的な〉学びへようこそ 近現代の哲学・神学を幅広く研究しています。思想・哲学は、たしかにその内容が現実生活から乖離していて、一見何の役にも立たないように見えます。しかし、そこで育まれる批判的思考力は他のどんな学問にも勝ります。危機の時代だからこそ、小手先ではなく知性の根幹を鍛えていきましょう。 主要研究分野:近現代の西洋哲学・神学、京都学派の哲学 担当科目:近代ヨーロッパの思想と哲学、現代の思想と哲学 他 渡邉 蘭子 講師 人間の根底を哲学的に探求する 古代末期の思想家・アウグスティヌスの思想分析を軸に、人間の欲望について研究しています。人をおとしめたり、時には戦争を引き起こしたりするようなゆがんだ欲望の根底に何があるのか、どのように癒やされ得るのかを考察します。生きる中で湧いてくる哲学的な問いについて、ぜひ一緒に探求しましょう! 主要研究分野:西洋古代・中世思想 担当科目:中世ヨーロッパの思想と哲学、ギリシア・ローマの思想と哲学 他 4年の学びで成長する総合人文学科生畠山 大輝 さん 思想・哲学分野 4年(山形県/山形中央高等学校出身) 迷っている人にこそおすすめすべての事柄が学びの種だ 卒論テーマ LGBTQ 高校で初めて「哲学」に触れたとき、それまで知っていたどの教科とも違うことに衝撃を受けました。問いに対してあるはずの決まった答えが、なかった。自分の考えを表現するのは得意じゃないけどおもしろい、もっとやってみたくて本学科へ。最初は、知らない内容について知らない人同士で話すことに緊張しましたが、それはみんな同じ。だんだん誰かの真似ではない自分の言葉で伝えられるようになりました。 卒論で取り上げるのはLGBTQ。社会的課題として認識されながら、日常生活の中では「リケ女」「料理男子」など無意識にバイアスのかかった言葉が飛び交うことに疑問を感じたことがきっかけです。本学科は幅が広く、ありとあらゆることを学びにできる。自然と興味ある分野が見つかると思います。進路を迷っている人にこそおすすめです。 文化・芸術分野 椎名 雄一郎 教授 人とともにある音楽を軸に、社会や文化の歴史を知る 音楽は、それぞれの時代の社会を反映して展開されてきました。私の主な研究テーマは“音楽の父”といわれるJ.S.バッハの音楽です。作品と当時の社会状況を結び付け、多角的な視点から考察しています。 私たちは普段の生活の中で、何気なくさまざまな音楽に接し、音楽から大きな影響を受けています。古今東西の音楽を知ることは、社会や文化の歴史を知ることでもあります。吹奏楽や合唱を頑張っている方、音楽が好きという方、一緒に音楽を深く学んでみませんか? 主要研究分野:音楽、パイプオルガン演奏 担当科目:ヨーロッパ音楽史Ⅰ・Ⅱ、キリスト教と音楽 他 藤野 雄大 准教授 アメリカ・キリスト教史を学び、日本を知る 19世紀のアメリカでは文化的・経済的発展に伴ってキリスト教の宣教が盛んになり、日本を含むアジア圏まで広がって文化や教育の面で大きな貢献を果たしました。このような19世紀アメリカと日本の影響関係を東北地方史との関連から研究しています。 明治期以降、日本は欧米の思想や技術、文化を積極的に受容してきました。特に、アメリカのキリスト教がわが国の近代化に与えた影響は多大。アメリカの文化やキリスト教の歴史を学ぶことで、世界を、そして日本を知る手がかりが得られるでしょう。 主要研究分野:アメリカ・キリスト教史、アメリカ文化論 担当科目:アメリカ文化論、アメリカのキリスト教 渡邊 有美 准教授 知れば知るほど奥深い、宗教と芸術のつながりを探求 イタリアのロレートに存在する「聖なる家」は、13世紀末にナザレから天使たちにより運ばれてきたと信じられています。私はこの「聖なる家」に関連した図像の研究を行っています。 世界にはさまざまな美術作品が存在します。私たちは絵を見て知っているようで、知らないことがたくさんあります。作品が作られた背景や理由を知ることで社会や絵画に対する見方や感じ方が変わり、人生に大きな影響を与えることもあります。ぜひ一緒に学びましょう! 主要研究分野:初期ルネサンス美術、キリスト教美術 担当科目:キリスト教と美術、ヨーロッパ文化論 他 4年の学びで成長する総合人文学科生室谷 武 さん 文化・芸術分野 4年(宮城県/東北学院榴ケ岡高等学校出身) 少人数制ならではの濃密さ果てしなき思考の海へ 卒論テーマ アメリカ議会襲撃事件の背景と要素 アメリカの歴史や思想史に関心を持ったのは、高2のときに起きたアメリカ議会襲撃事件でした。なぜこんなことが起きるのか。アメリカを知りたくて、高校の世界史では物足りず本学科に入りました。事件を卒論のテーマに据えてからはFBI捜査資料を原文で読んだり、CNNニュースやその他の映像を見たり、先行研究を調べたりして、背景と要素を整理。自分なりに考察すると先行研究とは異なる見解にたどり着き、分からなくなって担当教授や学科の他の先生に何度も質問しました。その中でヒントをもらい、今結論をまとめているところです。 これほど濃密に先生や他学生と議論できるのは、少人数の本学科ならでは。同じゼミ内でも研究テーマは十人十色。お互いの興味を覗きあうのもすごくおもしろい。とことん思考を深めたい人にはこれ以上ない環境です。 宗教・神学分野 川島 堅二 教授 宗教を学ぶことが、世界を知るための第一歩に 近代化に伴う宗教概念や宗教思想の変容について研究しています。日本の人口に占めるキリスト教徒、イスラム教徒の割合は約1%です。しかし、世界へ一歩足を踏み出せば、およそ2人に1人がキリスト教徒またはイスラム教徒であるといわれています。つまり、宗教を学ぶことは世界の文化や哲学への入り口であり、土台となるのです。 本学科は、キリスト教を専門的に学ぶことができる東北唯一の学科です。私たちと一緒に、世界への扉を開いてみませんか。 主要研究分野:宗教学、宗教哲学 担当科目:宗教学Ⅰ、近代ヨーロッパの思想と哲学、組織神学 吉田 新 教授 新約聖書を読み解き、キリスト教の発展をたどる 新約聖書のメッセージが現代世界でどのような意味を持つかについて考えています。現在は、新約聖書の中でも比較的遅い時代に成立した文書である「ペトロの手紙一」について研究しています。古代世界でキリスト教がいかに展開し、どのようにして世界宗教へと発展したかを考察しています。また、聖書がどのように日本語に翻訳されたかについても研究しています。 本学科は、自分の頭で考える楽しさを学べる場所です。ともに学べることを楽しみにしています。 主要研究分野:新約聖書学、日本語訳聖書翻訳史 担当科目:新約聖書概説Ⅰ・Ⅱ、新約聖書神学Ⅰ・Ⅱ 他 田島 卓 准教授 何のために生きるのか? 旧約聖書が私たちにもたらすもの 旧約聖書には信仰の書物の他に、戦争や国家の滅亡などの危機を書き伝える書物という側面があります。つまり、大きな混乱と危機の中で人々の命を支えてきた言葉なのです。私たちに、聖書が何を教えてくれるかについて研究しています。 実は、私は高校3年まで理系クラスにいましたが、受験を前に自分が生きる意味を考えたことがきっかけで現在の道に進みました。考えてみれば、誰しも何か譲れないものを抱えて生きています。そんな究極的な価値観について問うのがこの学問です。 主要研究分野:旧約聖書学、倫理学 担当科目:旧約聖書概説Ⅰ・Ⅱ、旧約聖書神学Ⅰ・Ⅱ 他 4年の学びで成長する総合人文学科生高砂 綾乃 さん 宗教・神学分野 4年(宮城県/仙台南高等学校出身) 宗教は日々の生活や人の価値観の根底をなす身近な存在 卒論テーマ 宗教観と家族愛の関係について 高校の倫理の授業で、思想に興味を持ちました。有名な思想家や哲学者がその考えに至った歴史的背景や影響を与えた事柄を、もっと知りたかった。1年でキリスト教を学んだとき、それまで無意識に抱いていた宗教への偏った見方に気付きました。宗教は日々の生活や人の価値観の根底をなす、実はとても身近なもの。宗教が持つエネルギーの根源を知りたくてこの分野へ進みました。 卒論では、宗教観と理想的な家族像の関係を深掘りしたい。この研究を始めてから、私の両親は私を幼少期から一人の人間として尊重し、かつ子ども時代を子どもとして過ごせるように育ててくれたと分かり感謝しました。卒業後は人の役に立つ仕事に就きたい。そう考えるようになったのは、本学科で「人間とは」をとことん追求してきたからだと思います。