東北学院大学

教養学部 地域構想学科

2023年4月募集停止

学生募集停止する学部・学科の全ての在学生に対しては、卒業するまでは入学した学科の所属及びその教育環境を維持し、学生生活及び進路・就職支援等につきましても、教職員一同責任を果たしてまいります。

学科長あいさつ

地域構想学科長
松原 悟

2005年に設置されました地域構想学科は、地域コミュニティ学科新設のため2024年度は3年生、4年生、2025年度は4年生のみの活動となっております。地域構想学科創設にあたり、一番のコンセプトは「学生の学びの場を従来のキャンパス内にとどめず、広く地域に出かけることで実際の現場に入り、どのような問題が具体的にどのように生じているのか、またそれにどんな人々がどのようにかかわっているのかを知ること」を、地域構想学科では重視してまいりました。当初は「地域構想」という名称に、何をする学科なのかわかりにくいという意見もありましたが、設置後20年近くを経た今、多くの大学に「地域」を使った学部学科が増え、社会問題として「地域」という言葉が取り扱われない日がないほど社会の注目を浴びております。今後も地域の諸課題を解決することの学びは必要不可欠なことでしょう。

本学科もコロナの影響で現場へのコンタクトが制限されておりましたが、2023年度より従来の活動を取り戻しております。

「地域」の事象や問題に気付いたら、まずその「現場」に行ってみて基礎的な事実を集め、そして類似の事象がみられる他地域の情報も集めて整理し、より広い時空間の視野から眺めてみる。これが「地域的見方」ということです。

また「地域」には、身近な町内や集落から、国家を超える大陸や地球規模まで、多様な「スケール」があります。さらに「地域」の事象には自然から人間、社会まで広範な分野が包含されています。この地域の分野横断的な性格こそが、地域構想学科が教養学部に置かれている理由です。

地域構想学科ではこの広範な分野を「人と自然」、「社会と産業」、「健康と福祉」の3領域に分けて地域に関連する授業や実習の科目を用意し、学びをサポートする体制を整えています。1・2年生での学修では各領域の学びを広く体験して関心分野を少しずつ具体化し、3・4年生ではその分野をより深く学び、自分自身の課題を明確にして大学生活の最後を飾る「総合研究」を成就できるようにカリキュラムが編成されています。

一方、地域構想の「構想」とはどういうことでしょうか。これは、地域に関する探究の先に「地域をよりよくする」という目標が設定されているのです。もちろんこの目標が4年間の学びだけで達成されるとは限りませんし、むしろ卒業後の人生の目標になるかもしれません。それは、「地域」には短期間に変わる側面がある一方で、長い歴史的な営みを通してゆっくり変わっていく側面もあるからです。4年間でかかわれるのは地域の営みのほんの1コマでしかないでしょうし、「よりよい地域」を具体的につくっていく主体はその地域の人々です。そうした意味で、我々地域構想学科の教員や学生に与えられた課題は、地域をよく理解した上で、よりよい地域への「構想」を示すことだと考えています。

幸いにも「地域コミュニティ学科」にこのコンセプトは生かされており、学科名は異なっても「地域構想学科」の活動は今後も継続されてまいります。「地域」の諸事象に関心を寄せる若い諸君とともに新たな学びを共にすることが大いなる楽しみと考えています。