東北学院大学

文学部 教育学科

学科長あいさつ

教員の養成100年の歴史をふまえて

教育学科長
長島 康雄

東北学院大学は東北地方を代表する私立大学として長い歴史と伝統をもっています。卒業生は宮城県をはじめとする東北各県はもとより、日本全国のさまざまな分野・業種において活躍をしています。学校教育にかかわる人材育成の歴史も長く、その教員養成の系譜をたどると、1918(大正7)年に本学の前身である東北学院専門部が師範科を開設し、旧制中学校等の英語教員の養成を始めたところが出発点です。そして、本学が教員養成に携わるようになってから、ちょうど100年という記念すべき年、2018(平成30)年4月に文学部教育学科が誕生しました。

グローバル化や情報化が進展する社会の中では、新型コロナウイルスの感染拡大に代表されるような予測不能な出来事が広範囲かつ複雑に伝播し、先を見通すことがますます難しくなっています。子供たちが将来就くことになる職業の在り方についても、技術革新等の影響により大きく変化することになると予測されています。たとえば、子どもたちの65%は将来、今は存在していない職業に就くという予測や、今後10年~20年程度で、AIの登場によって半数近くの仕事が自動化される可能性が高いなどの予測が、世界中の様々な識者によって指摘されています。

さらに東北地方には、2011(平成23)年に発生した東日本大震災の爪痕も残ったままです。復興に向けた歩みを止めることはできません。

そういった時代を豊かに生きていくためには、解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解ける力を育むだけでは不十分であり、社会の変化の中でも、伝統や文化に立脚し、高い志と意欲を持ち続けるための素養を持つことが大切です。

文学部教育学科は、こうした諸課題に直面する現代社会および次代の要請に応えるべく、「人がよりよく生きるための学びと人間的成長を支援することができる、豊かな知識・技能・姿勢を備えた人物を養成する」という理念をもって開設されました。

社会に求められる教員養成を担うために教育学科は、6学部・16学科を擁する東北学院大学の中でも、もっとも歴史ある文学部に設置されています。つまり、教育学科での教員養成教育もまた、東北学院大学での幅広いリベラル・アーツ教育と人間および世界の深い理解に支えられているのです。

教育学科に入学される方には、東北学院大学の総合大学ならではの視野の広い教育・研究、および学生生活での諸活動を通じて、本学の教育理念を示す「LIFE, LIGHT AND LOVE FOR THE WORLD」「命(生命の尊さ)と光(知識・希望)と愛(隣人愛)を世界のため」を胸に、教育を通じて社会に貢献するひとになっていくことを期待します。