東北学院大学

文学部 歴史学科

教員紹介

教員プロフィール

小沼 孝博 教授(内陸アジア近世・近代史)

研究テーマ

近世・近代の新疆(東トルキスタン)を中心として、内陸アジアの諸民族の歴史を専門とする。

研究トピック
ユーラシアの最奥部に残る隊商宿「タシ・ラバト」

ユーラシア大陸の中央部には万年雪をいただく険峻な山脈が横たわっており、古来、商人や旅人はそれらを苦労して越えていかねばなりませんでした。現在、キルギス共和国東南部、中国との国境に程近い標高3,200メートルの地点にタシ・ラバト(「石の宿駅」の意味)と呼ばれる石造建築物が残されています。これは、15世紀初頭、「シルクロード」の中継交易都市カシュガルから北へ延びる交易路上に建設された隊商宿(キャラバン・サライ)です。タシ・ラバトは、ここを通過していった多くの人々に一時の安息の場を提供してきました。諸民族が織りなしてきた内陸アジア世界のダイナミックな交流の歴史を陰で支えてきた重要な遺跡の一つといえるでしょう。

タシ・ラバト(2023年8月、小沼撮影)

小沼ゼミの卒業論文タイトル例
  • 「康煕年間における四川への移民と地域経済:重慶を中心として」
  • 「中国話劇の成立と日本との関わり:春柳社を中心に」
  • 「クラヴィホの紀行文から見るティムール帝国」
最近の著作
  • 『清と中央アジア草原:遊牧民の世界から帝国の辺境へ』東京大学出版会、2014年
  • 「ムザルト峠を越えて:天山南北交通史研究序説」『東方学』第143輯、2022年
  • 「20世紀前半のグルジャにおけるユヌチ家の活動」『東北学院大学論集 歴史と文化』第69・70合併号、2024年