東北学院大学

経済学部 共生社会経済学科

第18回「こどもの貧困とNPOの経営」

2019年12月19日開催

大橋 雄介 氏

講師 大橋 雄介 氏(NPO法人アスイク代表理事)

筑波大学卒業。リクルートのグループ企業で組織開発・人材開発のコンサルティングに携わった後、独立。2011年の震災直後にアスイクを立ち上げる。著書に「3・11被災地子ども白書」等。仙台市協働まちづくり推進委員会副委員長などを歴任。日本青年会議所「人間力大賞」会頭特別賞受賞。

参加いただいた学生から、「本当に困っている子どもや保護者が支援につながるためには 何が必要か」と質問をいただきました。それに対する答えは、「困っている人につながっている人につながっていく」ことではないかと思います。この社会で生きる一人ひとりが貧困問題に関心を持ち、自分の身近にいる困っている人からのサインに気づき、関係を築き、時に必要な支援につながるようにそっと後押しする。支援の専門家ではなく、普通の人だからできることがあります。できるだけ多くの方がこの問題に関心をもち、見守りの目となっていただくことに、今回の講座が貢献できたならば嬉しく思います。

学生の感想
  • 今回の講演を通して、日本の子どもたちが置かれている貧困の現状、そしてNPOの活動がもたらす社会貢献の可能性に気づくことができました。大学では貧困問題について学術的に学んできましたが、実際に支援をされている大橋氏の講演を聴き、貧困の現状やこれからの課題について、理解が足りなかった点がたくさんあることに気づくことができました。この学びを今後の研究に生かしていきたいと思います。(Tさん)
  • 宮城県の貧困問題が3月11日の東日本大震災によって、顕在化し、アスイクという活動を立ちあげ、このような貧困の子どもたちに向けた活動を始めた、というお話を聞きしました。震災がきっかけではありましたが、自分が何をすべきなのか、どういった活動が世の中の為になるのかを考え、行動に移すことのできた大橋さんは、とても尊敬できる方だと思いました。貧乏と貧困は別ものであるということや、なぜ貧困が問題なのか、という点について考える機会をいただけたことで、とても有意義な時間となりました。特に「なぜ貧困が問題か」という問いについては、無意識にただ「問題」と捉えていただけだった為「なぜ?」「どういった点が?」問題であるかを考えることができ良かったです。(Sさん)
  • NPO法人アスイクの事業、子どもたちを社会で育む、地域で見守るというビジョンを聴かせて頂いた。そして貧困の連鎖を断ち切るためには良い企業に就職するという社会のイスとりゲームに参加させることよりも自分が肯定できる生き方を見つけてほしいという言葉を大橋さんは述べていた。この言葉はさまざまなキャリアを通して今、自分自身がやりたいと思えることをやっている大橋さんだからこそ説得力があった。自分を肯定できる生き方を見つけることは所得の有無に関わらず、非常に難しい人生の課題であろう。しかし、子どもたちがこのアスイクに関わることで生きがいとまでは言わないが自分に自信が持てるものを見つけることができれば、それはその先の人生において精神的支柱になるだろうと強く感じた。(Sさん)
  • アスイクは「子どもたちに勉強を教える場」だと思っていたが、講演を聴いて、子どもたちと接触し、見えない問題を一緒に解決していくのだと考えた。他の人の貧困の実態は、周りの人からは見えにくい。その中でも、子どもの問題は見えにくいと思う。災害の時に浮き彫りになるとよく聞くが、それくらい見えていない問題なのである。そういった中でアスイクは、子どもたちと接することで現状の把握から解決の一手まで役割を担っている。そのような機会を得ることは、子どもたちにとってストレスを解放するプラス面でもあり、社会から孤立している人を減らす効果があると考えられる。子どもたちに、夢や希望を持って生きていく環境を提供できる社会に近づいてきていると思った。(Oさん)