東北学院大学

経済学部 共生社会経済学科

2023年4月募集停止

学生募集停止する学部・学科の全ての在学生に対しては、卒業するまでは入学した学科の所属及びその教育環境を維持し、学生生活及び進路・就職支援等につきましても、教職員一同責任を果たしてまいります。

学科長あいさつ

共生社会経済学科長
佐藤 純

世界にはいろいろな政治体制の国がありますが、ほとんどの国はグローバルな資本主義システムに組み込まれています。このシステムは近代になって出現しましたが、その結果、古代・中世の時代に比べると多くの人々が物質的に豊かになりました。しかし、資本主義システムには欠陥があることも事実で、先進国や後進国を問わず様々な問題を引き起こしています。具体的には、経済格差の問題、環境問題、人種差別の問題、ナショナリズムの問題、ジェンダーの問題などが挙げられますが、間接、あるいは直接的に資本主義システムやグローバリゼーションと関係があります。本学科には、これらの問題を専門とする教員が多数所属しています。講義や演習(ゼミ)を通して、まずは、グローバルな資本主義システムが持つ欠陥について深く知っていただき、卒業時までには「共生社会」実現のための政策を立案・実践できる人材に育っていただきたいと願っております。

なお、本学科では「共感力」を重視しています。かつてアメリカはベトナムとの間で、10年にわたる残虐で無意味な戦争を繰り広げました。この戦争を始めたのはケネディ大統領と、彼自身が選んだ少数の側近たちでした。彼らは“The Best and the Brightest”「輝くような知性を持つ選良」でしたが、「共感力」は持ち合わせていなかったようです。というのも、自分たちと同じような出自や経歴を持つ人たちと閉鎖的なグループを形成し、異なる背景を持つ人々の意見には真剣に耳を傾けようとしなかったからです。大統領や政治家に限らず、人はみな「共感力」を持つ必要があります。本学科では「共感力を磨く」という講演会を年2回開催しています。これは、「共生」に関するさまざまな仕事や活動をされている方々のお話を聞くというものです。積極的に参加し、まずは異なる出自や背景を有する人たちのお話を真摯に聞いてみてください。

最後になりますが、部屋や図書館にこもって研究に打ち込む時間も持ってほしいと思います。このような時間は社会人になってしまうとなかなか持てませんので、ぜひおすすめします。大発見や新発見を目指さなくとも結構です。ある分野に関する研究を整理し、有用で分かりやすい知識へと加工するだけでも、それはそれで十分に素晴らしい研究活動だと思います。そして短くても結構ですので論文を作成してみましょう。そうすれば、論理的思考力と物事を持続的に思考する力が身につきます。これらの能力はいろいろな場で役立つことでしょう。また、知的活動の楽しさを実感することができれば、お金や他人に依存することなく、いつまでも楽しい人生を送ることができると思います。東北学院大学は学習や研究を支援する施設や設備が充実していますので、これらを積極的に活用し、知的刺激に満ちた学生生活を送ってください。