東北学院大学

地域総合学部政策デザイン学科

政策デザイン実習
(2年次以降)

政策デザイン実習

全身で学ぶ、現場で学ぶ

実際にさまざまな地域課題に取り組む人々と交流・協働していく中で、問題解決力を高めていくための科目です。現場の人々と出会い、見て、聞いて、感じて、身体と心をフルに使って学びます。

個性的な10の実習科目
  • 個性的な教員陣がそれぞれの専門を活かした10の実習科目から選ぶことができます。
  • 海外に渡航する実習科目もあります。

※実習の様子は 学科公式Instagramにも掲載しています。

地域総合計画を通じてまちづくりの将来ビジョンについて考える
担当教員:奥山 忠裕
仙台市や名取市などの市町村では地域総合計画と呼ばれる市町村ごとの計画に基づき様々な施策を行っています。その計画を立案する際に重要となる作業はそれぞれの市町村の<将来像>をどのようにイメージするかにあります。将来のイメージ無しに地域の施策を考えたとしても、それらの施策が効果を発揮するのは難しいでしょう。この実習では、文字通り<将来のまちの絵(景観)>を描いてもらいます。
子育てに関する施設での参与観察を通して子育ての社会的支援の意義を学ぶ
担当教員:小宮 友根
児童館で実際に働くことを通して、子育てを取りまく社会的環境や、子育て支援施設で働く人たちの実践知を学びます。短い期間ですが施設で一緒に働かせていただくことで、現場のスタッフが具体的にどんなことを気にかけ、どんな工夫をしながら働いているのかを学びましょう。また、その学びをもとに、私たちの社会が次世代を育む仕組みはどのような理念のもとに設計されるべきなのかをあらためて考えてみましょう。
非営利組織はどのように、災害復興に携わってきたか?
担当教員:齊藤 康則
阪神・淡路大震災におけるボランティア活動を承けて、特定非営利活動促進法が施行(1998年)され、日本社会では非営利組織(NPO)が増加しはじめました。この実習では、阪神・淡路大震災の被災地・神戸に赴き、1995年の発災時に活動を開始して以来、その後も各地の災害において被災者支援、復興まちづくりの取り組みを展開してきた災害救援NPOからヒアリング調査を実施します。
釜ヶ崎と飛田新地から貧困を学ぶ
担当教員:武藤 敦士
日本最大の寄せ場である大阪市西成区の通称“釜ヶ崎”(あいりん地区)では、男性の野宿生活者(いわゆる“ホームレス”)が目に見えるかたちであらわれています。この釜ヶ崎に隣接する遊郭街“飛田新地”では、売春する女性の姿がこれもまた目に見えるかたちであらわれています。本実習ではこのような貧困問題の顕在化とその背景を学習したうえで、実際に当該地域を訪問し、実態を把握するとともに、どのような支援が展開されているのか学びます。
地域の企業を紹介するメディアを創る(地域企業やその仕事を紹介する)
担当教員:和田 正春
地域企業には魅力あるものが多数ありますが、その魅力を伝える機会は少ないのが現状です。学生の就職は元より、地域企業間の取引を拡大したり、交流を増大させることは地域経済の振興を図る上で重要であり、その機会を生み出していくことは価値があります。この実習では、テーマのようなものの実現を目標に、学生の自由な視点から地域企業の魅力を紹介していくことに取り組みます。同時に記事の作成の仕方、伝えるための理論や技術についても学びます。
学生たちによる記事
こちらでは、和田正春が担当する「演習」「地域プロジェクト実習」「政策デザイン実習」において、学生が行った学習の成果を紹介しています。地域の企業や自治体の取り組みについても紹介していきます。
ふるさと納税を活用した地域づくり:宮崎県都城市の取り組みから学ぶ
担当教員:伊鹿倉 正司
2008年4月に始まったふるさと納税制度は現在、本来の趣旨からかけ離れた返礼品競争の激化など様々な問題点が指摘されていますが、一方で全国から集まる寄付金を活用し、活気ある地域づくりに結び付けている自治体も存在します。
本実習では、2023年度に寄付額が日本一となった宮崎県都城市を訪問し、ふるさと納税に関わる自治体職員や移住者支援に取り組んでいる団体職員、移住者の方々から話を伺います。
多文化共生の現場をフィールドワークする
担当教員:石川 真作
外国人住民の増加を受けて、異なった文化を持った人々の間の共生を目指す「多文化共生」への取り組みが各地で行われています。本実習ではこうした取り組みについて、仙台市や宮城県周辺で行われている自治体やNPOなどによる外国人支援の現場に参加し、参与観察による調査を行います。また、中部地方などの外国人が多く住む地域にスタディ・ツアーとして出向き、現地の外国人住民、NPO関係者と交流し、様々な取り組みを学びます。
高齢者の視点から高齢者向け施設の現状と課題を考える
担当教員:市川 樹
今日の日本社会の大きな課題として、高齢化問題があげられます。特に経済学の観点からは、高齢化問題として働く世代の割合の減少による労働力人口の減少の一方、高齢者向けの社会保障費の増大による国民負担の増大という点が強調されます。本実習では、日本における高齢化の問題の理解を深めつつ、車いすの使用などのキャップハンディ体験及び仙台市内の高齢者福祉施設への訪問を通じ、高齢者の視点から日本の高齢者向け施策の現状と課題について考えます。
インタビューの方法を学ぶ——差別問題の現場から
担当教員:黒坂 愛衣
差別問題の現場を訪問し、社会的少数者(マイノリティ)の立場に置かれた当事者の人々が、どのような人生を歩んできたのか、人生体験をていねいにお聞きします。当事者との具体的な出会いをとおして、当該の問題への理解を深めるとともに、わたしたちの社会が多様な人々で構成されていることへの感性と、社会的な問題を自分自身に結び付けて考えていく力を涵養します。
日常生活の『向こう側』へ:熱帯雨林体験ツアー
担当教員:佐久間 香子
日本に暮らす私たちの日常生活は、東南アジア原産の資源に大きく依存しています。この実習では、私たちの生活を支える「向こう側」の世界がどのように成り立ち、いかに私たちの日常と繋がっているのかを知り、実際に東南アジアの熱帯雨林を体験します。具体的には、マレーシア・サラワク州を訪問し、野生動物保護区やアブラヤシ農園の見学および先住民の村の生活を体験します。

実習報告会

政策デザイン実習は、「実習に参加してそれで終わり!」というわけではありません。すべての実習にはかならず事前学修と報告会&報告書をふくめた事後学修があります。

本学科では毎年、政策デザイン実習科目を履修した学生による報告会を開催しています。自分たちが準備、実践、観察、分析した成果を、大勢の学生や教員の前で発表することで、アウトプット能力を磨きましょう!

※当日の様子は 学科公式Instagramにも掲載しています。