東北学院大学

経済学部 共生社会経済学科

2023年4月募集停止

学生募集停止する学部・学科の全ての在学生に対しては、卒業するまでは入学した学科の所属及びその教育環境を維持し、学生生活及び進路・就職支援等につきましても、教職員一同責任を果たしてまいります。

第21回
ミャンマー難民との共生を考える
~ドキュメンタリー映画『OUR LIFE』制作の背景を通して

2022年1月13日(木)開催

講師 直井 里予

(京都大学東南アジア地域研究研究所・連携講師/シャンティ国際ボランティア会・理事)

映像作家/博士(地域研究)。1998年からアジアプレス・インターナショナルに参加し、タイに暮らすHIV陽性者や難民のドキュメンタリー映画を制作している。2011年から京都を拠点に活動中。主なドキュメンタリー映画作品に『アンナの道』(2009年、釜山国際映画祭AND基金賞)、著書に『病縁の映像地域研究』(京都大学学術出版会、2019年)など。

直井里予 監督作品公式サイト

難民と自分自身の「つながり」を見い出すことは簡単なことではありません。今回の講演会では、難民とどのような関係を形成し、共生していくことができるのか、映画の主人公の生きざまを通して、皆さんと一緒に考えました。皆さんのアンケートへの回答や感想文には、難民という「経験」を想像し、自分自身の日常に重ねあわせながら、自分自身の生と難民問題とが、どのように関わっているのか、考えを深められているものが多く見られました。

私自身、今回、皆さんとの対話から学ぶことが多くありました。それは、講演会という「場」(オンラインによる時空間の形成)があったからこそ可能となったことです。難民問題へのアプローチも同様に、まずは、皆さん自身が地域の中に飛び込み、難民自身が主体的にネットワークを形成できるような機会を作る「場」を作る、そんな活動からはじめてみるのもよいかと思います。講義で紹介したダラツゥ君の生きざまが、皆さんの多文化共生への取り組みへとつながることを願っています。

①難民との共生のために必要なことって?(学生の回答)
  • 直井先生のお話しを聞き、先生もおっしゃっていたように「同情ではなく、共感するところから始めよう」ということから、具体的な支援や対策も、もちろん大切であり、早急にやらなければならないことだと思うが、何よりも私たち自身が、彼らに対して共に生きていこうという共感するという気持ちが必要であると思った。(1年生)
  • 難民と共生するために必要なことは2つあると感じました。
    1つ目は、滞日難民の精神的なケアサポートをすることです。難民は日本語を話すことができず、コミュニケーションをとることができない可能性があります。コミュニケーションがとれないと社会的に孤立してしまい、精神的に辛い思いをしているかもしれないと考えたからです。そのため、難民の心がやすらぐ場が必要であり、対話をする場を私たち日本人が創出してあげることが必要だと考えます。2つ目は、価値観の違いをおそれずに難民と関わることです。難民と聞くとかわいそうという声もあるかもしれませんが、ただ同情するのではなく、難民に寄り添い共感することが必要であると感じました。共生社会経済学科で学んでいる私たちは、難民について他の大学生よりも理解してると思うので、以上の2点を少しでも実践できれば良いと考えます。(3年生)
  • 知識を得て理解を深める事が重要だと思った。直井先生が仰っていたように、同情や哀れみではなく普通の人と同じように接してコミュニケーションを取ることが難民に関して自分が出来ることの第一歩とするなら、その前に理解を深めることが必要だと思う。難民がどのような生活をしていて、今までどんなことから喜びを感じていたのか、いま何を望んでいるのかを感じることである。(3年生)
②講演で印象に残ったこと(学生の感想)
  • 難民を「難民」という言葉での理解ではなく、難民について中身を詳しく理解する必要があると考えた。私は今回の講演会で実際難民キャンプを行っていた方の話を初めて当事者の言葉として聞いて、何がつらいのか、どういう葛藤があるのかについて理解することができた。当事者から聞く話しが最も印象深い内容だった。今までは第三国定住先である日本やアメリカの対策などが薄いため、難民の受け入れに対して否定的な面が多いと思っていたが、実際は将来働くということに視点を向けたら、この第三国定住先に行くことは案外肯定的に見れるのではないかと感じた。特に今回の話で思ったことは、難民の受け入れに対する対策を見直すことが大切ということである。日本は厳しい審査基準について見直す必要がある。確かに偽装難民の在留を防止するために厳格化しているという理由は分かるが、難民キャンプを無駄にしないためにも、日本のような国が多く受け入れていく必要があると思った。今回の講演会では自分の難民についての知識不足が改めて見えた時間だった。「難民」という言葉を説明することはできるが、内容や現状について説明できない状態だったため今回で少しでも説明できるようになったと思う。今後私たちがどのように動いていけばいいのかを自分なりに考えていきたい。(2年生)
  • 今回の講義で印象に残ったのは日本が難民の受け入れが少ないという事、難民への理解を促進し「同情から共感へ」という部分が特に印象に残りました。難民問題に対して「可哀そう」というような気持ちだけで見るのではなく、そこには具体的にどんな問題が発生し影響しているのか、どのような解決策が考えられるか、など多少知識がある状態で難民問題に目を向ける事で「共感」はより促進されるのではと思いました。(2年生)
  • 私は講演会前半まで話を聞いて、第三国定住が最も良い選択なのかなと考えていたところで、アメリカへ難民として渡った方のインタビュー(家族に会いたいと語っていました)を見て、人にとって攻撃の心配がない家屋や仕事は勿論、個人個人のコミュニティというのも精神面で大事なんだな、難民をはじめとするケアが必要な人たちにとってそれも物質的な安心と同様に大切なんだな、と感じました。(4年生)