佐藤 滋 教授
専門分野
- 財政学、地方財政論、財政社会学
研究キーワード
- 租税抵抗、所得再分配、格差・貧困、選別主義・普遍主義
担当授業
- 地方財政論Ⅰ・Ⅱ、研究と発表の技法、基礎演習、演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
代表的著作
- 『租税抵抗の財政学──信頼と合意に基づく社会へ』岩波書店、2014年
- 『財政学の扉をひらく』有斐閣、2020年
- 『財政社会学とは何か──危機の学から分析の学へ』有斐閣、2022年
教員からのメッセージ
日本は、世界で第三位の経済大国です。世界に200カ国程度の国があることを思えば、これは驚異的なことと言えるかもしれません。ですが、経済的な豊かさは直接、人々の幸せにはつながりません。現に、日本の貧困率は世界でトップクラス。大変生きにくい国としても知られています。また、自殺者も毎年3万人程度います。特に「経済問題」を背景とした自殺が、ここ20年ほど顕著に増加してきたことには注目してよいでしょう。日本は経済大国であると同時に、大きな格差や貧困を抱えている国でもあるわけですね。
それはなぜか。これには、雇用の劣化、家族の変容、地域の解体など、様々な事柄が影響していますが、僕が担当する地方財政論では、政府や自治体が実施する政策、すなわち、公共政策を論じる立場からこの問題に答えようと思います。人類史上、未曾有の財政赤字を抱えるなかで、人々の生活を支える国や自治体の姿はどうあるべきか。極めて大きな課題ではありますが、その分やりがいもあります。
社会が抱える課題と格闘し、人々の生活の礎となる学を構想すること。僕が尊敬する学者はこれを、「闘う社会科学」と呼びました。知的でスリリングな学問を、ぜひ一緒に楽しみましょう!