鈴木義男に関する公開講座の最終回が行われました

12月21日に公開講座「『平和憲法をつくった男』鈴木義男の思想を掘り下げる」の最終回が行われました。

この日は、本学名誉教授の斎藤誠先生が「日本国憲法と再軍備批判」というテーマで講演をされ、新憲法制定時からあった「押しつけ憲法論」「9条非現実論」「自主憲法制定論」などの批判に対して、鈴木義男がどのように答えてきたかについて、鈴木の『新憲法読本』(1948年)『私の記憶に存する憲法改正の際の修正点』(1956年)を使いながら詳細な解説がありました。

現在の日本の憲法論議にも通じる一連の議論の構造が、今も当時も大きくは変わらないことに驚かされるとともに、鈴木が一貫して新憲法を擁護する姿勢を持ちつつも、現実を見据えた合理的であり、かつ理念的な議論を展開していたことが分かりました。こうした鈴木の考え方は、現在の憲法論議でも重要な視点を提供するものと思われます。

なお今回の公開講座全4回のテーマと講師は次の通りでした。

第1回:11月16日 「平和憲法をつくった男 鈴木義男」本学名誉教授 仁昌寺正一
第2回:11月30日 「平和の思想」本学名誉教授 仁昌寺正一
第3回:12月14日 「人権の擁護」岩手県立大学宮古短期大学部講師 雲然祥子
第4回:12月21日 「日本国憲法と再軍備批判」本学名誉教授 斎藤誠