『震災学』の発行にあたって
震災が問いに付したことは数知れないし、測り知れない。エネルギーの問題、ジャーナリズムの問題、福島第一原子力発電所事故、津波、どれをとっても問題の及ぼす範囲は幅広い。
大学では、こうした一連の湧き出してきた問題、一つの専門化された学問では解決しようもない問題にどう対処し、どう答えようとしているのか。
『震災学』を発刊することは、被災した地にあって被災した人々とともに苦しみ生きてきた大学においてこそ、なされなければならないことと考える。すべての問いと課題に一挙に解答を与えることなどできない。この本が、問いを共有する者たちにとって、互いに意見を交換し合う場となることを望んでいる。